日ごとに朝晩の気温が低くなってきましたね。寒くなってきたとはいえ、地域によってはまだまだフィラリアの対策は必要ですね。
フィラリア蚊に刺される可能性のある時期には、定期的な幼虫退治を行って、フィラリアを成虫にさせないことが予防の原理ですので、 フィラリアのお薬は定期的に欠かさず投与することがポイントです。
フィラリアの予防薬には色々な種類がありますが、今回は「注射タイプのフィラリア予防薬について」まとめてみました。
注射タイプのお薬は1回注射するだけで、1年間フィラリア予防効果が持続します。このタイプの予防薬のメリットは何と言っても飲み忘れや飲み損ないが発生しないことです。
多くの飼い主さんはわんちゃんやねこちゃんにお薬を飲ませるのに苦戦しており、製薬会社の調査でも多くの方が投薬に失敗したり、時間がかかってしまっているというデータが発表されています。
しかし、注射タイプの予防薬であれば注射を1本打ってしまえばその後投薬による予防措置は必要なく、きちんと1年間効果を発揮してくれるので、お薬をスムーズに飲めない子でも確実な予防ができます。
また投薬自体はすんなり行えるけれど、定期的に動物病院へ足を運ぶ時間がない!という方にも非常に便利な手段であると言えます。
一番のデメリットはやはり、注射自体の痛みはそれほど強くないはずですが、動物たちからすれば「小さな部屋ででたくさんの知らない人たちに体を押さえつけられてチクっとされる」という感じなので、大きなストレスになっていると考えられます。
そのほかに副作用と体質の関係が心配されます。注射用フィラリア予防薬は非常に副作用の少ない安全なお薬であることが確認されています。しかし、100%安全で、どの子に対しても無害というわけではありません。
この注射は皮膚の下に投与します。お薬には有効成分を含んだ小さなカプセルがたくさん含まれていて、皮膚の下で少しずつ、時間をかけてはじけることで持続的な作用を示します。
どんなに安全なお薬であっても、体力が著しく落ちた老犬や、肝臓や腎臓などお薬の代謝に関与する内臓に疾患があるわんちゃん、ねこちゃんの場合にはお薬が体に好ましくない影響を与える可能性があります。
しかも、このお薬は一度皮下に投与してしまったら、そっくり皮下から回収することができないので、1年間副作用が現れた状態で過ごさなければならなくなってしまいます。
また最近ではお腹の虫や皮膚や被毛に寄生する虫にも効果を示すお薬が開発され、広く利用されていますが、注射用フィラリア予防薬の場合にはフィラリア1種類に効果を示すので、予防対象が狭いということもデメリットと考えられるかもしれません。
飲み薬、もしくはチュアブルタイプの予防薬がアレルギーなどで飲めない場合には、これらのメリットとデメリットを理解した上で注射による予防に切り替えるべきか検討するべきでしょう。
動物たちも年齢を重ねれば食が細くなり、お薬も余計飲みたがらなくなります。お薬を無理矢理飲ませようとすることで誤嚥(食べたものが気管に入ってしまうこと)などの事故の可能性も出てきますし、何より、体力のあるうちに注射型予防薬が体質に合っていることを確認できれば、老犬・老猫になってから心配しながら投薬する必要がありません。
かかりつけの獣医さんと相談しつつ、その子にあったフィラリア予防の方法を探してあげたいですね。
参考画像
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