沢山のわんちゃんも救っています!ノーベル賞受賞の大村智氏が開発した「イベルメクチン」

By | 2015年10月23日
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2015年のノーベル生理学・医学賞を、北里大学特別栄誉教授である大村智さんら3人が受賞したことは、皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか?
受賞の理由は「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療の開発」で、特にイベルメクチンという薬を開発したことが評価されています。

「イベルメクチン」と聞いて、もしかするとわんちゃんの飼い主の皆さんの中にはピンとくる方もいるかもしれません!
そう!犬のフィラリア薬の成分でイベルメクチンが使われているものがありますね!!

というわけで、今回はペットのお薬としても使われているイベルメクチンと今回ノーベル賞を受賞された大村智さんに焦点を当ててお話ししたいと思います。

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そもそも「イベルメクチン」とはどんなお薬なのか?

イベルメクチンは、アフリカや東南アジアなどで患者が多い、寄生虫によって引き起こされる感染症の治療に使われる薬です。
その感染症とは、具体的にはオンコセルカ症とリンパ系フィラリア症です。

オンコセルカ症とは、回虫の回旋糸状虫による感染症です。回旋糸状虫に感染したブユに刺されることで発症します。
症状としては、かゆみ、発疹、視覚障害、最悪の場合は失明につながります。ほとんどの患者がアフリカで発生している病気です。

また、リンパ系フィラリア症とは、蚊に刺されることで蠕虫であるフィラリアの寄生を受けると、リンパ浮腫が生じる病気です。
足が大きく腫れる象皮病等を引き起こします。2013年の発表によれば、2500万人以上の男性に生殖器疾患を起こし、1500万人以上の人にリンパ浮腫を起こしているということです。
多くの患者は東南アジアで発生しています。

1970年代半ばに静岡県伊東市川奈の土から採取した微生物から発見された成分を元に作られたのがイベルメクチンという薬です。
最初は家畜等の寄生虫駆除薬として発売され、その後人間の病気にも効果があることが発見され、人間用の薬としても広く普及しました。
また、このお薬は副作用が少なく安全性が高いということで、途上国での治療にも積極的に使われ、年間約2億人の人々がこの薬の恩恵を受けていると言われています。

 

ノーベル賞受賞の大村智氏とはどんな方?

大村智さんは、1935年生まれの化学者で、微生物の研究を45年以上も続けてきた方です。当初は高校の理科講師をしており、その後研究者に転身したという経歴を持っています。
微生物が作り出す有機化合物についての研究を続け、新しい化合物を450種以上も発見しました。その研究の中で発見された成分を元に開発された薬の一つが、今回注目されている「イベルメクチン」です。

今回のノーベル賞以前にも、大村智さんは、1992年に科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術分野における優れた業績等に対して送られる「紫綬褒章」や、2011年には「瑞宝重光章」、2012年には「文化功労者」にも選ばれています。

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犬のフィラリア薬にも使用されている「イベルメクチン」

わんちゃんの飼い主の皆様は、この「イベルメクチン」という名前を聞いたことがあるかもしれませんが、現在、日本において犬のフィラリアの薬で最も使用されているのが、このイベルメクチンを成分とした薬ということです。錠剤タイプや犬が好むような味付けをしたチュアブルタイプの薬等が発売されています。

イベルメクチンは、既に世界中の多くの人、家畜やペット等を救ってきましたが、これからも末永く役立っていく薬だと思います。
そのような薬の開発に日本人が関わったということ、同じ日本人として誇りに感じますね!
改めて、ノベール賞受賞、本当におめでとうございます!

 

 

【その他の記事】

 ※ペットくすりでは「イベルメクチン」が成分に含まれるフィラリア薬等、色々なペットのお薬を取り揃えています↓

 ペットくすりへ

写真;http://www.flickr.com/photos/48094458@N00/6379125909
            http://www.flickr.com/photos/60256070@N05/6289337752

参照;http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/100600123/?bpnet
   http://www.huffingtonpost.jp/science-portal/nobel-medicine-prize-_b_8250566.html
   http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2013/03191445.html

Category: お薬紹介 フィラリアについて 病気・症状

About わんだほー先生

ペットくすりの公式キャラクターがお送りする、犬や猫のお薬や病気・健康維持についてのブログです。 ブログの内容は、獣医さんの監修ですが、同じ病気でも症状や個体差等により対応が異なることもあります。大切なペットのことですので、お薬の投与や症状に関しては、必ず実際に診察を行い獣医師の判断に従うようにしましょう。

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