フィラリア予防薬のベストな投薬時期って何月?

By | 2014年6月3日
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フィラリア薬の投与は春ごろから秋ごろにかけてというけれど、実際に何月から何月まで行えば良いのでしょうか。そろそろかなとは思っていても、今なのか来月なのか分からずに不安になっている飼い主さんが多くいます。ベストな投薬時期について考えてみませんか?

 

今日のお題
フィラリア予防薬のベストな投薬時期は何月?

 

気温が14℃を超えた翌月から予防を。

フィラリア予防薬の投薬時期は、蚊の活動時期によって決まるため、地域によって差があり、全国どこでも同じというわけにはいきません。また、その年によって、暖かかったり、寒かったりすると、年ごとに微妙に違ってきます。

そこで1つの目安になるのが気温。気温が14℃以上になった翌月から、14℃を超えなくなった翌月まで、投薬をすると覚えておきましょう。では、なぜ「14℃」なのでしょうか。14℃という気温は、フィラリアの幼虫が、犬に感染可能な幼虫に成長するのに必要な温度です。また蚊自体も、14℃を超えると吸血活動を開始し、14℃を下回ると刺すことなく活動を停止します(関連記事:フィラリアの発生には地域差がある?!)。

フィラリアの薬は駆虫薬。だから投薬は翌月に。

14℃が目安ということは分かったけれど、なぜ投薬は「翌月」なのでしょうか。これはフィラリア予防薬の特徴に由来します。フィラリア予防薬は正確には「駆虫薬」と言われていることは、ご存知でしょうか?フィラリア予防薬では、蚊を予防したり、フィラリアへの感染することは防げません。感染したフィラリアの幼虫が、成虫の寄生部位である心臓や肺動脈を目指して移動している時に、効果を発揮し、幼虫を退治するのです。

年間投薬もオススメ。メリットをチェックしよう!

気温をチェックしたり、その翌月をカレンダーに記載したりするのが面倒だとお考えの飼い主さんにオススメなのが、年間投与。フィラリア予防は、1年間通じて行っても、特に問題はありません。デメリットは、経済的な問題くらい。むしろ、メリットの方が多いんです。

【メリット】
1) 投与前の感染有無を調べる検査が不要になります。動物病院に連れて行くだけで怯えてしまったり、採血できないほど興奮してしまったりする子には、良いでしょう。

2) 投薬開始時期を気にする必要が無くなります。

3) 他の寄生虫駆除の効果のあるお薬なら、一石二鳥。※詳しくは後述します。

現にアメリカでは、季節投与から、通年投与に移行しつつあるとも言われています。また日本でも沖縄県などは、1月2月でも14℃を超えますから、温暖な地域にお住まいの方は通年投与する必要があります。

他の寄生虫も駆除しながらの年間投与という方法

フィラリア予防薬の中には、フィラリアだけでなく、その他の寄生虫も駆除するものもあります。例えば、犬回虫、犬鈎虫、犬鞭虫などの消化器官の寄生虫は、季節を問わずに寄生します。これらの寄生虫を同時に予防するためには、1年を通じて、フィラリア予防薬を投与する意義はあります。(※フィラリアにしか効果を示さない予防薬もあるので、要注意です。)

イベルメクチンを含む薬ならリーチバック効果も

お使いのフィラリア予防薬が「イベルメクチン」を有効成分としている場合、リーチバック効果が期待できます。これは、フィラリア予防薬が効果を発揮する幼虫だけでなく、もう1段階成長した未成熟成虫も退治できるというものです。それに加え、メスの成虫の不妊化、成虫の寿命短縮などの効果もあります。これは、イベルメクチンを通年投与した場合にのみ、期待できる効果です。

フィラリア予防薬の投与のタイミングは気温14℃。これをしっかり覚えておきましょう。また季節投与だけでなく、通年投与を考慮に入れても良いのではないでしょうか。

 

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【その他記事】

参考資料 http://www.animal-k.com/diary21.htm
Photo By. http://www.flickr.com/photos/vanf/5047341611/

 

 

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