マンチカンの特徴と主な病気について:
比較的浅い歴史のマンチカンは最近とても人気があり、飼いやすい猫種で特に健康上も大きな問題はないと言われています。とても甘えん坊で人間慣れもしやすく、穏やかな性格なので多頭飼育は可能です。しかし、特徴的な短足、胴長という体の構造の理由でなりやすい病気もあります。
主にかかりやすい病気を以下に紹介してみます。
椎間板とは背骨の椎骨という骨の間にある軟骨のことですが、これはコラーゲン繊維で出来ており、クッションの役割を果たしています。これが何らかの原因で横に飛び出してしまうと”ヘルニア”という病気になります。発症する年齢は7歳以上が多いと言われていますが、もちろん早期に発症する場合もあります。
ワンちゃんでは短足・胴長のダックスフンドやコーギーなどの犬種に多く見られ、一般的には猫ちゃんでは珍しい病気で、マンチカンはその特徴的な体型から発症しやすいと考えられています。
◆ 原因
事故による衝撃や加齢によるコラーゲンの減少、肥満による体重の負担増加、などがあります。
◆ 症状
痛みの為にジャンプをしたがらない、動きたがらない、しびれて歩けなかったり、あるいはヘルニアになっている場所によっては尿や便が出しづらくなることもあります。また、痛みによる食欲不振や元気消失なども見られます。
◆ 治療法
レントゲンやMRIにより診断が下ると、痛みがひどい時には鎮痛剤を使い、絶対安静にします。また、肥満傾向にある場合には必ず減量を必要とします。重症例では手術や術後のリハビリテーションを必要とすることもあります。排泄ができない状態の時は、カテーテル(管)での導尿や膀胱を圧迫しての排尿、便を掻き出す処置などが必要になります。歩行障害がある際には、補助器具などを使って猫ちゃんの生活の質(クオリティオブライフ)を向上させることができます。
◆ 予防法
肥満傾向にあると、明らかに足腰に負担がかかってしまいますから、体重の管理は小さい頃から行うようにしましょう。おもちゃなどを使っての軽い運動は毎日心がけて下さい。また、落下や交通事故の危険性があるので、屋外には絶対に出さないようにしましょう。
変形性関節症とは、体のあちこちにある関節で起きる可能性がある病気ですが、肘や膝、股関節での発症が多いです。骨と骨が繋がっている関節には、ぶつからないようにクッションの役目をする軟骨が存在しています。しかし、この軟骨がすり減ってしまうと摩擦による炎症が起こり、痛みが出てきます。
◆ 原因
先天的な体型以外に肥満や過度の運動、加齢、元々の関節の病気(股関節形成不全など)などが考えられます。特に年齢が12歳を越えると高い確率で発症しているという報告がありますが、猫ちゃんの場合は無症状で過ごすことが多く、無症状でも検査をしてみなければ発症しているのかわからないのが現状です。
◆ 症状
痛みを避けるため動きたがらない、触ると痛みのために嫌がる、食欲不振、関節の腫れ、などがあります。マンチカンの場合は、短足という性質が骨軟骨異形成(骨の成長の異常)であるという考えから、この病気になる可能性が高いと言われています。
◆ 治療法
完全に症状を治すことはできない為、痛みのコントロール治療がメインになります。鎮痛剤の服用と安静、また、肥満傾向にある場合は減量が必要になります。痛みがある程度コントロールされた場合も、運動制限は重要となり太りやすい傾向になりますから、食餌管理は徹底的に行うべきです。
◆ 予防法
先天的にこの病気になりやすいことをふまえて、椎間板ヘルニアなどと同様に、体重の管理が重要です。常に軽い運動と理想体重を維持することが人間同様に必要です。
漏斗胸は先天性の病気と言われており、胸の中心(肋骨の中心部)の一部が陥没している状態を言います。
◆ 原因
肺や心臓を圧迫して呼吸があまり楽にできなかったり、心雑音の原因になったりすることがあります。しかし多くの場合は無症状で成長とともに経過観察となります。
◆ 治療法
多くは無症状なので治療をしませんが、呼吸が苦しいなどの症状がある場合には手術を必要とします。また、この病気が原因で呼吸器の感染症が起こりやすいことがありますが、その場合は抗生物質などを使います。
◆ 予防法
先天性の病気なので予防する方法はありませんが、普段から呼吸の状態や元気などを観察し、健康診断を定期的に行うことが必要です。
猫ちゃんはワンちゃんと違って、毎日こまめに自分でグルーミングを行います。ザラザラの舌でペロペロと体を舐めるこの行動は、猫ちゃんの健康バロメーターでもあり、体調が良ければ適度な割合で行いますが、ストレスがかかると非常に頻繁に行って脱毛させてしまうこともあります。そして、グルーミングで沢山毛を飲み込んだ結果、胃の中で大きな毛球になって腸へ移動することができない場合があります。普通は問題なくこれを吐き戻すことができますが、腸にも移動できず、吐き戻すこともできない場合を毛球症と言います。これはどの猫種でも起こる可能性がありますが、マンチカンの特に長毛の子は注意が必要です。
◆ 症状
便秘や嘔吐(吐き出しても肝心な毛球が出て来ない)、食欲不振や元気消失などで、最悪の場合には毛球によって腸閉塞を起こすこともあります。また、長毛であるだけでなく、高齢や他の病気などで胃腸の働きが低下した場合にも起こりやすいです。
◆ 治療法
比較的元気もあって症状が軽度の場合には、胃に溜まっている毛球を除去する除去剤を舐めさせます。胃炎や便秘の症状がある場合にはそれに応じた治療を併用し、腸閉塞を起こしている場合には手術が必要となります。また、体質的にこの病気になりやすいので、食餌に関しては食物繊維の多いもの、或いは猫草や処方食を食べさせたり、定期的に毛球除去剤を舐めさせる、などの対応が必要になります。
◆ 予防法
原因が毛であることから、毎日1回から2回はブラッシングをして無駄な毛を先に除去することが効果的です。1回のブラッシングでどれだけ毛が取れるかを実感して頂くとよいと思います。それに加えて、普段からお腹のマッサージをしてあげたり、食物繊維の多いフードを与えたりして、便秘にならないように注意してあげて下さい。健康で便が毎日出ていても石のように硬かったりする場合は、獣医師に相談しながらフードを変えて様子をみてみましょう。
どの猫種でもなる可能性がある病気ですが、一般的には垂れ耳の子に多いです。ですから、マンチカンの垂れ耳の子は特に注意が必要です。耳が垂れていることによって湿度が保たれるので、耳のピラピラした部分(耳介)から鼓膜までの細い道(外耳道)の間で炎症が起きやすくなります。
◆ 原因
細菌類や真菌類(カビ)、耳ダニなどの外部寄生虫の寄生によるもので、かゆみ、耳垢、臭気、重症の場合には耳が真っ赤になって腫れてしまいます。
◆ 治療法
原因によって治療法が異なります。細菌類や真菌類が原因である場合は、それらに効果のある抗生物質や抗真菌剤の点耳薬で治療しますが、耳ダニなどの寄生虫の場合は駆除薬を使います。症状が重症で出血などがある場合には、痒みを抑える内服薬と抗生物質などを併用します。
◆ 予防法
普段から耳の中をよく観察することが非常に大事です。耳垢が多少ついている程度は生理的な反応ですが、非常に多い、一度ふいたのにすぐにまた出る、臭いがする、耳をよく掻いている、などの症状がある場合には早急に獣医師に診せて下さい。かゆみがある場合、猫ちゃんは休むことなく掻き続けて傷をつけることが多いので、一晩の内に悪化することもあります。耳が垂れた猫ちゃんの耳掃除は難しいですから、不安な場合は動物病院で指導してもらいましょう。
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参照画像:
https://nekogazou.com/mantineko22/
https://matome.naver.jp/odai/2138476848624678801/2138483910067562003