エジプトが原点のネコちゃんアビシニアンの性格やかかりやすい病気とは?

By | 2017年12月18日
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PK_BLOG-2017-07-31

 

 小さなマウンテンライオンのようなアビシニアンは、その原点がエジプトにあり、まるでエジプトの彫刻などにある美しい猫の姿に似ているとされる説と、エチオピア(旧名 アビシニア)やインドが起源であるとされる説など、意見は幾つかあるようです。しかし、何れにしても彼らは非常に筋肉が発達して、短くて特徴のある色の被毛が見事です。性格は非常に遊びが好きで、頭が良く、人間が訓練をして何かを覚えさえることも可能かもしれません。そんな長い歴史を持つこの種類には、どんなかかりやすい病気があるのかを紹介したいと思います。

 

 進行性網膜萎縮の概要

 目の病気の一つですが、アビシニアンは遺伝的にこの病気になる可能性があります。目は、外側から強膜、ブドウ膜、網膜、の3つの膜から構成されており、一番内側にある網膜は光を感じ、それを映像として視神経から脳にデータを送ります。この働きには網膜にある視細胞(2種類の細胞、捍体細胞、錐体細胞)が関わっており、捍体細胞は暗い光や白、黒に対して、錐体細胞は色に対しての情報処理を行います。しかし、進行性網膜萎縮では、網膜が薄くなって、その機能が働かなくなる為、視力の低下(失明を含む)が見られます。

・症状

 まず、捍体細胞に異常が見られることで、夜によく見えなくなる(夜盲症)という症状が出てきます。進行するにつれて、物にぶつかる、動きが鈍くなる、瞳孔が開いている、おもちゃなどに反応しない、などが明らかになります。2歳頃に発症することが多く、徐々に進行して失明に至ります。

・治療

 残念ながら治療法は確立されていません。症状が出始めたら、環境の変化をあまりしないようにする工夫が必要です。部屋の模様替え、食餌をする場所、トイレの移動などは厳禁です。常に同じ場所にあることを心がけ、目が見えなくても位置を覚えさせておけば安心です。また、目の不自由な方に接する場合と同じで、突然触るなどしてびっくりさせないように、必ず声をかけてから抱っこなどをするようにしましょう。

・予防法

 遺伝病と考えられるので予防法はありませんが、普段から猫ちゃんの行動をよく観察して、目が見えづらくなっていないか、行動が鈍くなっていないか、などを日頃からのチェックしておきましょう。異常に早く気がついて早期診断に繋がることで、その後の生活環境作りを早めにスタートしてあげることができます。

 

 

 腎アミロイドーシス(アミロイド腎症)の概要

 アミロイドとは繊維状のタンパク質で、体のあちこちの臓器に沈着をして、その機能や構造にダメージを与え、最終的には機能不全を起こしてしまいます。特に腎アミロイドーシスは、肝臓から生産される血清アミロイドA(SAA)が腎臓の髄質と呼ばれる内側の部分に沈着する病気ですが、アビシニアンの場合、遺伝的にこの病気を発症する可能性があります。発症は1歳から5歳の間が多く、平均的には3歳ぐらいと言われていますが、オスよりも若干メスの方が多いです。

 

・症状

 腎臓の機能が低下して多飲多尿、脱水、痩せる、嘔吐、尿毒症、などの腎不全と同様の症状が見られます。また、血液が固まりやすくなることで血栓を形成することがあります。

 

・治療法

 残念ながら、進行性の腎アミロイドーシスそのものの治療はありませんが、腎不全から来る尿毒症の症状などを緩和することができます。基本的には、腎臓に負担をかけないようにタンパクを制限した食餌療法と、脱水や尿毒症を緩和する為に病院や自宅で点滴を行います。また、腎臓機能の状態に応じて、内服薬が必要になりこともあります。

 

・予防法

 遺伝病の為、予防をすることはできませんが、早期診断と早期治療を実現することで、腎臓の負担を軽くすることができます。ですから、若い時から常に健康診断を習慣づけ、獣医師に定期的にチェックをしてもらうことが必要です。

 

 

 膝蓋骨脱臼の概要 

 小型犬に多い病気ですが、猫ちゃんには珍しく、その多くは遺伝的素因によるもので、アビシニアンやデボン・レックスは発症しやすいと言われています。これは、膝蓋骨(膝のお皿)が外れる状態で、膝蓋骨が収まる溝が浅かったり、大腿骨(太ももの骨)や脛骨(膝下の二本ある骨の内、太い方)に異常があったりすることで発症します。実際に外れる(脱臼する)方向は体の内側(内方脱臼)であることが多く、大抵、3歳以下の時点で発症しています。

 

・症状

 全く気づくことがなく無症状で過ごしていることもあり、痛みが出る場合には高い所にジャンプしたがらない、歩行がぎこちない、うずくまった状態であまり動かない、などの症状が見られます。また、特に内方脱臼のある場合は、股関節形成不全も同時に発症している可能性も考えられます。

 

・治療法

 どんな場合も、肢に問題がある猫ちゃんの第一の治療は体重管理です。理想体重を超えた肥満傾向の場合には必ず減量を必要とし、肢に負担をかけないようにします。また、無症状で、偶然、ワクチン時の健康診断などで発見された場合には、経過観察となります。非常に痛みが強く、歩きづらいなどの問題が出ている場合には、まず、絶対安静と消炎鎮痛をメインとした治療を行います。内科的な治療で落ち着かない場合には、外科的に手術を必要とする場合もあります。

 

・予防法

 遺伝が関係している為、予防はできませんが、早期に膝蓋骨の状態を知っておく必要があります。ワクチンの際に行われる健康診断は早期発見の重要なタイミングですから、十分に活用して下さい。また、健康維持と肢の負担軽減の為、太らせないことは言うまでもありません。

 

 毛ピルビン酸キナーゼ欠損症の概要 

 ピルビン酸キナーゼとは、赤血球の中でのエネルギー代謝において必要な酵素です。生まれつきこの酵素が欠損していることで、赤血球が若いうちに壊れてしまい、赤血球の数が減ることで貧血が起こり、続いて、それに付随した症状が出て来ます。アビシニアンやソマリなどは、遺伝的にこの病気になる可能性が考えられます。

 

・症状

 貧血以外の症状は、疲れやすい、あまり運動をしたがらない、頻脈、食欲不振、黄疸、などがあります。外側から見て明らかに貧血などの症状が出てくるのは、3歳前後と言われていますが、症状の重さには個体差があります。

 

・治療法

 この病気は完治することはない病気ですから、対症療法と言って、症状に合わせた治療がメインとなります。貧血が重度である場合には、輸血を行ったり、赤血球不足により酸素運搬が適切でなくなる為、酸素室を必要とする場合もあります。また、脾臓が結果的に大きくなることがあり、外科的に脾臓摘出を行うこともあります。症状が軽度である場合は普通に寿命を全うできる子もいますが、症状が重篤な場合には、早期に亡くなってしまう子もいます。

 

・予防法

 遺伝病の為、予防はできませんが、他の遺伝病と同様に健康診断を毎年行うことで、早期に病気の発見をして、それ以降は常に経過をしっかりと観察し、少しでも体調が悪いと感じたら、早めに受診することをおすすめします。

 

心因性脱毛症の概要 

 心因性脱毛とは、ストレスなどによって猫ちゃん特有のグルーミングをやりすぎて、結果的に毛が抜けて”ハゲ”を作ってしまうことで発症します。どの猫ちゃんもなる可能性はありますが、アビシニアンは特にその傾向が強いです。大抵、お腹のあたりをよく舐めている姿を発見し、後ろ肢などに発展していくことが多いようですが、猫ちゃんにより様々です。原因は心因性ではありますが、この病気の重要なポイントは、本当に心因性なのか、実は皮膚病や膀胱炎(お腹を舐める為)などが隠れていないかをしっかりと確認するところにあります。飼い主さんは、初め、ただ舐めているだけとあまり気にしていないことが多いですが、非常に重症になると脱毛した場所が赤く炎症を起こして来ることもあり、その時点で”もしかしたら異常かもしれない”と認識されることになります。

 

・治療法

 猫ちゃんやワンちゃん達は、違和感を感じた部分を舐めることが多いです。例えば、ノミが寄生して皮膚が痒かったり、その部分が痛かったり、膀胱炎による腹部の不快感、といったことで舐めていることも考えられます。その為、診断にはそれらの検査を必要とします。検査の結果、特に異常が見られないとすれば心因性と診断が下ります。ここで非常に重要なことは、普段の生活の中で、その子にとって何がストレスなのかを見極めることです。どういった生活環境にあるのかを獣医師に詳しく説明して、獣医師と一緒に解決策を考えて行かなければなりません。殆どの場合は、飼い主さんが今まで以上に遊びの時間を増やしてスキンシップを取ったり、様々なキャットタワーやおもちゃを試してもらい、グルーミング以外に”やる事、楽しむ事”を与えて気晴らしをさせ、問題は解決することができます。物理的に舐めさせないように、飼い主さんが留守の時には、エリザベスカラーをしておくことも有効ですが、中には全く受け付けてくれない子もいて、かえってストレスを増やすことにもなり兼ねないので、猫ちゃんの反応を見なければいけません。また、猫ちゃんの性格によっては、一時期はひどくなったり、一時期は治まったり、を繰り返すことがありますから、常に行動観察が必要です。

 

・予防法

 アビシニアンは高い所に飛び乗ったり、何にでも興味を持って向かって行く、休むことを知らない、もしかしたら眠ることさえ知らない、と言われるぐらいの遊びが大好きな猫ちゃんです。飼い主さんが何かをしていると、それに興味を持ってついてくる、というタイプですから、当然、暇を持て余す状態は好ましくありません。ですから、常に沢山のオモチャやキャットタワーを用意して、その本能を十分に満足させてあげなければなりません。忙しいから相手をしてあげられない、ではなく、相手をしてあげられない時には”オモチャ”を渡して、気を紛らわせてあげることが不可欠です。

 

人間と違って、ペットは自分の体調不良を言葉で伝えられないからこそ、少しでも異変を感じたらすぐかかりつけの獣医師に受診するようにしましょう!

 

 

 

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参照画像:

https://matome.naver.jp/odai/2134701991476561001?page=1&grid=false

Category: ケアについて 病気・症状

About わんだほー先生

ペットくすりの公式キャラクターがお送りする、犬や猫のお薬や病気・健康維持についてのブログです。 ブログの内容は、獣医さんの監修ですが、同じ病気でも症状や個体差等により対応が異なることもあります。大切なペットのことですので、お薬の投与や症状に関しては、必ず実際に診察を行い獣医師の判断に従うようにしましょう。

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