
スーパーライザー(温熱光線療法)-ストレスなく、他の治療法と併用可能。
「温熱光線療法」とも呼ばれます。体の深いところまで到達する近赤外線を当てる治療です。人間の病院には随分と浸透してきたので、自分が利用した事のある飼い主様も多いのではないのでしょうか。最近では、動物病院でも置いてあるところが増えています。血流の改善、痛みの緩和、炎症の緩和、そして、ガン細胞の死滅に効果があります。
椎間板ヘルニアの治療にもよく使われます。患部に近赤外線を当て血流を改善する事で、麻痺の改善に効果が得られます。
また、猫に多い口内炎。炎症を起こしている口内に向けて、照射します。口を閉じて、外側から当てるだけでしっかりと患部に届きます。炎症と痛みを和らげる事ができます。寝たきりの犬がよく悩まされる床ずれ、骨折などの手術後の痛み緩和、垂れ耳の犬に多い外耳炎などにも効果を示します。
それと、注目したいのがガン(悪性腫瘍)への応用です。ガンにマーカーとなる薬剤(色素)を注入し、スーパーライザーを照射するのです。ガン細胞は42℃以上で死滅し、正常細胞は45℃以上で死滅する事から、その間の温度になるように治療する事で、ガン細胞のみを死滅させるという方法です。色素と同時に抗がん剤を注入し、さらに治療効果を高めるという方法もあります。ただ、スーパーライザーだけで、ガンを完治させるのは難しいのが現状で、多くの場合、手術後の転移・再発の予防や、高齢であったり、ガンのできた場所が悪かったりして手術出来ない状況で、ガンの縮小を目的として利用します。
スーパーライザーの良い点は、副作用がなく、動物に痛みなどのストレスを与えずに治療できる事、そのため、他の治療法との併用が可能なところにあります。
腫瘍マーカー(血液検査)-蛋白に着目、ガン治療の目安に。
ご自身や身近な方がガン治療を経験した事のある飼い主様ならご存知かと思いますが、ガンの進行とともに増加する因子を腫瘍マーカーと言います。ガン細胞には誰でも持っている一般的な蛋白の他に、健康な体にはあまり存在しない蛋白を持っています。腫瘍マーカーとは、この健康な体にはあまり存在しない蛋白の事で、それを血液検査によって調べ、ガン治療の指標とします。
ただし、健康であってもその蛋白を全く持っていないというわけではなく、また小さいガンがあっても検出されない事もあるため、早期発見には利用できません。あくまでも治療の目安です。
このヒト用の腫瘍マーカーが、犬猫にも応用可能だという事が、最近の研究で明らかになっています。すでに臨床にも応用され、犬猫の腫瘍マーカーの測定を行える検査機関もあります。
尿アセスミン検査(ガンの早期発見の尿検査)-自宅でのガン発見検査も可能に。
ガンの早期発見を目的とする検査です。
実は、犬猫のガンはとても多いのに、犬猫のガンを早期発見するのは非常に難しいのが現状です。通常の血液検査や尿検査ではガンの発見は不可能ですし、レントゲンでわかるような大きさになった腫瘍は、すでに「早期」とは言えません。例えば、肺ガンの場合、どんなに経験を積んだ獣医師でも、5㎜以上の大きさにならないと、レントゲンでは発見できません。MRIやCTは、動物で実施する場合には全身麻酔が必要となるため、定期健診には向きません。
尿アセスミン検査とは、尿から排出される体の老廃物が、ガン細胞によって少し変化する事を利用した検査です。採血する必要がないため、動物病院ではなく自宅での検査も可能であるので、注目されています。
養子免疫療法(ガンの治療法)-自分のリンバ球を使用で副作用なし。
ガンの治療法のひとつです。
免疫とは、もともと動物の体に備わっている体を守る仕組みです。体内に侵入した異物と戦います。もちろん、ガン細胞にも対抗します。その免疫機能で活躍するリンパ球を自分の体から取り出します。取り出したリンパ球を体外でさらに活性化させ、増殖させて体内に戻すのです。自分のリンパ球を使うため、大きな副作用がありません。
参考
http://www.119pet.com/gan.htm
http://www.ttj-anihos.com/specialty/vr2/
参考画像
/www.flickr.com/photos/64455281@N06/5865793687/
www.flickr.com/photos/9197427@N06/4233007870