猫は皮膚炎と肥満に注意!梅雨に気をつけたい、3つの病気とその対策とは?

By | 2017年6月27日
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こんにちは、オクスリラボです!

今回は前回に引き続き、梅雨時期に増える病気の猫バージョンを紹介します。

気温が上がり湿度も高くなる、梅雨の季節。猫の活動量が少なくなりがちになるため、猫のコンディションも低下し、様々な病気が悪化しやすくなります。

この時期に増える猫の病気について、原因や治療方法、予防方法について学びましょう。

 

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好酸球性皮膚炎について

 

好酸球性皮膚炎とは

猫の好酸球性皮膚炎は、白血球の一つである好酸球が、皮膚の病変部にたくさん出現する皮膚炎で、体のあちこちにかゆみ、脱毛、湿疹などを認めるようになります。

梅雨時期のように湿度が高い環境だと、皮膚のコンディションが低下することが多くなります。

そのため好酸球性皮膚炎も悪化することがありますので注意が必要です。

好酸球性皮膚炎の原因

猫の好酸球性皮膚炎の原因は今のところわかっていません。

ただし、好酸球は炎症を引き起こす反応と深く関わっている細胞のため、アレルギーなど何かしらの炎症性疾患が根本に存在するのでは、と考えられています。

また、私自身の経験として、好酸球性皮膚炎の猫が食事療法で改善したり、抗アレルギー薬で症状が軽減したりすることもありますので、やはりアレルギーのような病気が関わっているのではと考えています。

ただし、猫のアレルギー検査は、一部のアレルギー反応を検出することはできますが、その他のアレルギーが関わっている場合は、検査に引っかからないこともあります。

つまり、アレルギー検査で「アレルギー反応なし」となっても、完全にアレルギーを否定することができないため、実際の診断はなかなか難しいものになります。

好酸球性皮膚炎の治療方法

好酸球性皮膚炎は原因不明の病気なので、治療は対症療法が基本になります。経験的に最も皮膚炎を改善させる効果が高い治療は、ステロイドによる治療になります。

しかし、ご存知の通り、ステロイドの長期投与では様々な副作用のリスクがありますので、現在では、強い症状を伴う皮膚炎に対して、短期間だけ使用する、あるいはできるだけステロイドを使わないで治療をすることが多くなっています。

ステロイドの他には、免疫抑制剤がよく使われます。免疫抑制剤は、人間では臓器移植の時の拒絶反応を抑えるために使用される薬ですが、それを少ない用量で使うことで、ステロイドのような強い副作用を出すことなく、かゆみを抑えることができます。

ただし、やはり免疫抑制剤も対症療法ですので、通常は長期間、場合によっては生涯にわたって投薬が必要になります。

また、好酸球性皮膚炎は原因不明ですが、食事の改善によって症状が軽減することもあります。

ただし、どのような食事が良いのかは一頭一頭異なるため、食事療法を取り入れる場合は、かかりつけの獣医師とよく相談しながら取り組むことをお勧めします。

好酸球性皮膚炎の予防方法

残念ながら、好酸球性皮膚炎は原因不明のため、はっきりとした予防方法はわかっていません。

また、関連しているであろうアレルギーも、そのメカニズムは不明な点も多いため、現実的な予防は難しいと思われます。

ただ、近年はアレルギーのような免疫システムの異常は、腸内細菌と深く関わっていることがわかってきていますので、腸内細菌を整える、つまり食事はもちろん生活環境を猫の生態に合わせたものにすることで、予防につながる可能性は否定できません。

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真菌性皮膚炎について

 

真菌性皮膚炎とは

猫の真菌症は、いわゆる『カビ』が感染することで発症する皮膚病です。

真菌による皮膚炎は、見た目は様々ですが、その多くが多量のフケ、脱毛、かゆみを特徴にしています。

膿皮症などの細菌感染による皮膚炎に比べると、赤い湿疹は少ない印象です。

真菌症の多くは、子猫や高齢の猫、あるいは猫エイズなどに感染した猫で見られます。

真菌性皮膚炎の原因

真菌症はカビの感染により発症します。細かな病態は異なりますが、人間の水虫のようなイメージです。

つまり、普段は普通に存在する真菌が、何らかの原因で皮膚のコンディションが悪化したところに感染し、皮膚炎を起こします。

特に免疫力の弱い幼猫、老齢猫、あるいは猫エイズのように免疫不全を引き起こすウイルスに感染した猫では、真菌感染を起こしやすくなります。

さらには、梅雨時期のようにカビが繁殖しやすい時期にも見られることがあります。

真菌性皮膚炎の治療方法

真菌感染を起こした猫に対しては、抗真菌剤を投与します。抗真菌剤は多くの種類がありますが、どれも猫にとって負担が大きいお薬のため、使用には注意が必要です。

さらには、真菌の治療は1ヶ月以上かかることも多く、それだけ投薬期間も長くなり、副作用のリスクも高くなってしまいます。

また、それと同時に、薬浴や食事療法、サプリメントなど、皮膚のコンディションを整えるケアも行うようにします。

真菌性皮膚炎の予防方法

真菌性皮膚炎は免疫力が低下するとかかりやすくなります。そのため、日頃から猫の健康状態をチェックし、異常の早期発見早期治療が一番の予防になります。

また、適切な運動や栄養管理が、免疫力アップにつながります。おうちの環境を見直し、猫が運動しやすい工夫をしてあげたり、より良質な食事を用意することも良い方法です。

もちろん、普段眠っている寝具などの衛生環境にも気をつけるようにしましょう。

 

肥満症について

 

肥満症とは

肥満症はその名の通り『太っていること』です。

「太っているだけで病気なんですか?」と思われるかもしれませんが、現在の医療では、肥満が様々な病気のリスクを持っていることから、太っていることも立派な『肥満症』という病気として分類されています。

具体的には、肥満による心臓疾患、関節疾患、皮膚疾患のリスクが高くなりますし、メカニズム的には糖尿病やアレルギー、腫瘍などの病気にも深く関連していると考えられています。

肥満症の原因

肥満症の原因は、不適切な栄養摂取と運動です。もちろん、ホルモン疾患など代謝に関わる病気が関係している肥満症もありますが、猫の場合はほとんどが栄養と運動、つまり生活習慣による肥満です。

特に室内で暮らす猫は、冬の寒い時期だけでなく、梅雨のジメジメした時期も運動しない猫も多いため、梅雨時期の肥満症にも注意が必要です。

肥満症の治療方法

肥満症は、まずは他に隠れた病気がないかチェックすることが重要です。もし糖尿病や肝臓病など、他の病気が隠れていた場合は、肥満の治療(=減量)を行うことで、他の病気が悪化することがあるためです。

他に大きな病気が隠れていなければ、基本的には減量を行うことで、治療を進めていきます。そして猫の場合、運動を管理することが難しいため、食事管理による減量が中心になります。

しかし、ここで注意していただきたいのは、猫と人間とでは生理機能が異なるため、人間と同じ感覚で減量すると、かえって病気を作ってしまう可能性があります。

そのため、減量に取り組む場合は、必ず動物病院で指導を受けながら減量を進めるようにしましょう。

肥満症の予防方法

肥満症の予防も基本的には栄養管理と運動管理が重要です。

適切な栄養と適切な運動、もちろん猫ごとに同じものを食べていても太りやすさは違いますし、ご家庭の環境によっても運動量は変わります。

ですので、一頭一頭で適正な体型、体重を保てるように調整してあげるようにしましょう。標準的な体型、体重がわからない場合は、動物病院やペットショップなどに相談してみましょう。

 

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 ラミシールクリーム
1パーセント
イトラコナゾール
100mg15カプセル

真菌皮膚感染症(カビ)の
殺菌治療に用いられる
クリームです。

抗真菌薬で
真菌の成長を妨げます。
犬・猫両方に使用できます。

参照画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/605807?title=子猫,https://www.photo-ac.com/main/detail/75897?title=ネコ5

Category: ケアについて その他 病気・症状

About わんだほー先生

ペットくすりの公式キャラクターがお送りする、犬や猫のお薬や病気・健康維持についてのブログです。 ブログの内容は、獣医さんの監修ですが、同じ病気でも症状や個体差等により対応が異なることもあります。大切なペットのことですので、お薬の投与や症状に関しては、必ず実際に診察を行い獣医師の判断に従うようにしましょう。

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