犬・猫のストレスとは?
犬、猫がストレスを感じているかを見分けるのは、大変難しいことです。
個体差があり・その子達が経験した時に得た学習・その際の強化されたもの(匂い、音、飼育環境)
など様々な因子が関わっているためです。
では、ストレスを感じている犬や猫はどのような行動に出るのでしょう?
下記で確認してみましょう。
【ストレスによる問題行動】
犬・猫がストレスによって起こす問題行動としては、
●不適切な場所での排泄
●過剰に吠える
●攻撃行動(咬む、引っ掻く)
●肢端舐性皮膚炎(肢端を繰り返す舐めることでおこる局所の外傷、中手骨以下の前肢に多い)
●●繊維摂食(特に小型犬、猫に多い)
犬の場合
●尾追い行動(自分の尾を追いかけて回転を頻繁に繰り返す、しまいには自傷し出血する。)
猫の場合
●心因性舐性脱毛(舌が届く範囲の被毛を舐め続け脱毛させる。鼠径部、大腿部、下腹部から始まることが多い。)
●問題行動だけでなくストレスによって、膀胱炎などの泌尿器の病気をひき起こす原因にもなっています。
これらだけがストレスによって起る行動変化ではありませんが、比較的多く見られる行動です。
ストレスによる問題行動や、身体の変化は個体差があり、千差万別です。
ストレスと原因と対処
まずペット達をよく観察し、上記のような行動がないか注意してみましょう。
そして、ストレスを感じているような行動があれば、何がその原因になっているか
探しましょう。そのような行動をするようになるにはなにかしらの理由があるはずです。
特に猫の場合は環境の変化でストレスを感じることが多いとされています。
●今まで一日中一緒に生活していたのに、仕事等を始め留守にする時間が多くなり、遊ぶ時間が減った。
●散歩の時間、回数が減った。
などの飼い主さんや行動への欲求不満によることや、
●近隣で工事がはじまり常に騒音がある。
●引っ越しにより場所が変わった。
●暮らす環境に、人もしくは動物が増えた。
などの環境の変化でも起こりえます。
このようなこ事が、問題行動をする前になかったのかを確認してみてください。
ストレスの原因となっている可能性が高いです。
ストレスの対処、解消法
対処や、解消法はペットの性格や状況、飼い主さんの生活環境等によって変わっていくので、
何がいいとは、一概にはいえません。
一緒にいる時間を増やしたり、運動されたり、またはきちんと投薬するなども必要です。
逆効果になるケースもあるので、状態を獣医さんに相談して判断をあおぐのが良いでしょう。
例えば、
急に腹部を自傷するようになり下腹部中心に脱毛をした猫が来院されました。
被毛などの状態から心因性舐性脱毛と診断しました。
その原因は飼い主さんが寒いからといって着させた服が原因でした。
投薬は何もせず服を着させず様子みたところ、段々と被毛が出現し
今では脱毛前とほぼ変わらないところまで、被毛が出現しました。
このように些細なことでもストレスを感じてしまい、様々は問題行動を起こしますので、
日頃からペットをよく観察して、ストレスのない環境作りすることがペットにも飼い主さんにも必要です。
Photo By https://www.flickr.com/photos/cutenadevil/5185896885/