犬には年一回の予防接種が義務付けられている狂犬病。猫を飼っている家庭にはそのような義務がありません。狂「犬」病だから犬だけのものなのでしょうか。今回は犬以外の狂犬病についてもスポットを当ててみます。




狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した動物に噛まれたり、傷口、目や口の粘膜をなめられたりすることによって感染します。狂犬病が繁栄しているアジア(特にインド、中国など)、南米、アフリカでは犬に噛まれることによる感染が多いものの、野生動物などの他の動物種からも感染する可能性があります。
アライグマ、キツネなど感染源は様々。
野生動物からの狂犬病感染とは、いったいどのような動物からなのでしょうか?具体的な事例をみていきましょう。アメリカではアライグマやスカンク、コウモリ、ヨーロッパではキツネ、アフリカではジャッカルやマングースが狂犬病の感染源となっています。もちろん、ネコや馬、牛などが感染し感染源となることもあり、事例は代表的なものです。
珍しい事例として報告があるのは、2013年の台湾で確認された狂犬病。世界で初めて、ジャコウネズミへの狂犬病の感染が確認されました。ちなみに日本国内では、1957年に猫への感染が確認されたことを最後に、完全に撲滅されています。
狂犬病対策は複雑。牛やコウモリへの対策は…?
野生動物の間で狂犬病が蔓延している国では、狂犬病対策は複雑です。牛にワクチン接種を実施している国もありますし、ドイツやスイスでは野生のキツネに対して狂犬病ワクチンを混ぜたエサを蒔きワクチン接種を行っています。
ラテンアメリカのような吸血コウモリが狂犬病を保有している地域では、コウモリが生息している洞窟ではウイルス濃度が非常に高く、気体に浮遊しているエアロゾルを接種するだけで感染するといった恐い話もあります。これらの地域では家畜に抗凝固剤を投与し、その血を吸ったコウモリが死ぬように対策しています。
日本が犬だけに予防接種を義務付けた理由
日本では現在、狂犬病の予防接種は犬のみに義務付けられています。その理由は、
① 日本は島国のため、感染した野生動物が他の地域から入ってこないこと。
② 野生動物に狂犬病ウイルスが侵入しなかったこと。
③ 犬が昔から最も人間の身近に存在し、高い攻撃性を持つことから人間や他の動物を咬みやすく狂犬病ウイルスの伝搬において最も危険性を持つ動物だったから。
こういった理由で亜、犬のみを予防することを義務づけするようになりました。猫にも狂犬病ワクチンを接種することは可能ですが、犬のように法律に定められた義務はありません。実際、狂犬病清浄国ではないアメリカでは犬、猫共に狂犬病ワクチン接種を義務づけている地域もあります。
海外へ渡航する時や帰国時(輸出入時)には、猫にも狂犬病ワクチン接種を義務付けている地域がありますので、輸出入を行う場合には大使館、動物検疫所などで確認する必要性があります。
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