大型犬の飼い主さんは、耳にしたことがあるかもしれませんが、股関節形成不全という病気をご存知でしょうか?
関節は老犬だけ気をつければいいというイメージが強いかもしれませんが、そうではありません。大型犬以外の飼い主さんも是非知っておきましょう!
股関節形成不全(別名:股関節形成異常)は、おもに遺伝的要因で発症すると考えられており、遺伝的に股関節の凹みが浅い骨格の犬に発症しますが、ほとんどが大型犬の急激な骨の成長に筋肉の成長が追いつかなくなることで発症します。
代表的な犬種としてゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シェパード、バーニーズ・マウンテン、ニューファンドランド、ロット・ワイラー、セント・バーナード、グレート・ピレニーズなどがあげられます。
- 原因と症状
成長期に骨の成長と筋肉の成長が伴わない結果、大腿骨頭(大腿骨の先端)が股関節の凹みにしっかりはまらなくなるため、股関節は常に亜脱臼の状態になってしまいます。オーナーさんが気付く股関節形成不全の犬の症状としては歩き方と座り方でしょう。発症すると、腰を振るように歩く、うさぎ跳びのような走り方をする、女の子座り(後肢を伸ばして座る)をするようになります。
また、関節がキチンとはいってないため、関節炎を引き起こし足を痛がるようになり、足を引きずる、元気がなく運動を嫌う(運動不耐性)などの症状を引き起こすこともあります。症状が出現するのは骨格が形成され終わる2歳頃までに現れますが、成犬になってはじめて出する場合もあり、発症が最も多い時期は生後6~8ヶ月くらいの頃で、早ければ生後3ヶ月くらいから股関節の異常が目立ってくることもあります。
大型犬に多い病気ですが、小型犬、猫でも発症する病気ですので注意しましょう。またこの病気は遺伝だけではなく肥満や激しい運動といった環境的要因でも発症します。
前述のような歩き方などから判断する方法や、麻酔をかけておこなう身体検査もありますが、主にX線検査を行うことが確定診断が可能になります。治療法としては内科的治療と外科的治療があり、犬の年齢や体重、症状などよって変化します。まだ若い仔で症状が軽度な場合であれば、運動制限や食事の管理を行い、鎮痛剤や抗炎症剤などを投与することで、痛みの緩和と関節炎の進行を和らげる治療で緩和することができますが、症状が重度で内科的治療による効果がない場合は、外科手術を行います。
手術は犬の年齢、体の大きさ、症状などに合わせて、いくつかの手術方法(大腿骨頭切除術、股関節全置換術など)があります。
- 予防
また、激しい運動もなるべく避けましょう。もうひとつ大事なこととして新しく子犬を飼う際は、親犬に股関節形成不全が発症してないかを確認しておくことで、準備は予防、早期発見につながります。
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