お薬の併用についての注意点

By | 2015年9月22日
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わんちゃん、ねこちゃんの具合が悪くなって病院に行って飲み薬をもらうことってあると思います。
しかも、先週は怪我をして病院に行って、傷が治ってきたなーと安心していたら今度はお腹をこわした!!なんてことも結構あります。

また今みたいな雨が多く降る季節には、今日はお天気も悪いし、別の病院に行こう、
あるいは、病院に急いで行かなきゃいけないというほどでもないし、前にもらったこのお薬をあげて様子を見ようかな、なんてこともあるのではないでしょうか?

こういった場合、もともと飲み薬を処方されていたけど、両方あげるべきか、新しいお薬だけ飲ませるべきか悩んでしまう、ということもあると思います。

ということで、今回は薬の併用についてお話ししていきたいと思います。

 

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お薬が効く仕組み

まずは、一般的にお薬が効いていく仕組みを説明いたします。

飲み込んだお薬は腸で吸収されて、その成分は肝臓に運ばれ、血液に溶け込んで全身を巡り、組織や細胞に体の不調を治すための反応を起こさせます。
つまり、多くのお薬はその成分自体が病気を治すのではなく、体の中でおこる反応を利用して、不調の原因を取り除くように作られています。
また、体の中でおこる反応が何段階にも及ぶ場合、その過程で別の成分(前駆物質なんて言ったりします)が作られることもあります。

 

お薬の併用に迷った時はどうすればいい?

結論から言って、こういった場合には、ちょっと面倒でも動物病院に直接確認をしてください

お薬にはたくさんの種類があり、その性質も多種多様です。
最近では非常に優れた動物用のお薬がたくさん開発されていますが、どんなに良いお薬でも、真逆の効果を狙っているお薬を一緒に飲ませてしまっては、当然十分な効果は得られません。
それだけでなく、飲み合わせが悪いと全く別のところに作用するお薬でも体に害を及ぼすことがあります。

お薬を複数飲んでいる場合、飲み合わせが悪いとこの反応自体や前駆物質の機能を他のお薬に邪魔されて効かなくなったり、前駆物質同士が結合して体にとって好ましくない成分ができてしまうこともあります。その他にも、複数のお薬が体内で同じ反応を起こすことで効果が劇的に現れて、逆に具合が悪くなってしまったりすることがあります。

通常、複数のお薬を飲まなくてはならない時には、獣医師がそのお薬との飲み合わせを確認して問題のない組み合わせでお薬を処方しているはずです。
また、カルテにはきちんと今まで処方したお薬や処方期間、その効果についての記録がきちんと残っているはずですので、時期が重複して新しいお薬をもらう時には注意事項やお薬の上げ方の指示があるでしょう。
しかし、別の病院でもお薬をもらっていたり、飼い主さんの判断でお薬をあげた場合には、飼い主さんからの申告がない限り、獣医師はどんなお薬を飲んでいるのか、どのようなお薬を処方してはいけないか、ということが把握できません。
そのため、複数のお薬を飲ませる場合には必ず獣医師に今飲んでいるお薬について説明し、併用OKな組み合わせなのかどうか確認しましょう。

また、お家にあるお薬をあげる場合や人間用のお薬をあげる場合には、飲み合わせに限らず、その薬自体をあげて良いものなのか獣医師に確認をとりましょう。
動物の体は私たち人間の体と非常に似ていますが、全く同じ構造ではないし、体の大きさも違います。動物種によって体で処理できない成分があったり、処理できる許容量が異なるので、ご自身の判断で薬を飲ませることは安全とは言えません。また同じ症状でも、その薬を処方された時の体調や体重が現在と全く同じとは限りませんし、お薬にも賞味期限があります。できれば少し大変でもそのお薬を持って動物病院へ足を運び、あげて良いものかどうか判断を仰ぎましょう。

 

お薬とサプリメントや食べ物との組み合わせの注意点

また、同様にサプリメントや食べ物のお薬との組み合わせにも注意した方がいいです。

病気によっては、症状を引き起こしたり、悪化させる原因になる栄養素が吸収されにくくして抑えることで不調を改善するものもあります。
また、消化不良を改善するお薬を飲んでいるのに、消化しづらいジャーキーなどのオヤツを沢山あげたら、頑張って薬を飲んでいる意味がなくなってしまいますね。

この前世界陸上でボルト選手が3冠達成しましたが、どんなに素晴らしい選手だってデコボコの舗装されてない道をハイヒールで走ればタイムは伸びないし、足を痛めてしまう可能性もあります。お薬やサプリメントも同じで、どんなに素晴らしいものでも、量や飲むタイミングを守って適切に飲まなければ効果を発揮できないばかりか、かえって体に毒となってしまう場合もあります。


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お薬を併用するときは、まず獣医師に相談すること、そして可能であれば健康管理手帳を作って、投薬歴や体調の変化を記録しておくのが良いでしょう。
ワンちゃんネコちゃんが頑張って飲んだお薬がしっかり効いて、早く効果を実感できるようにお薬と付き合っていきましょうね。

 

 

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Category: ケアについて その他

About わんだほー先生

ペットくすりの公式キャラクターがお送りする、犬や猫のお薬や病気・健康維持についてのブログです。 ブログの内容は、獣医さんの監修ですが、同じ病気でも症状や個体差等により対応が異なることもあります。大切なペットのことですので、お薬の投与や症状に関しては、必ず実際に診察を行い獣医師の判断に従うようにしましょう。

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