我が家の犬は、小型犬用?中型犬用?それとも大型犬用?
よくある質問に「我が家の犬は体重が小型犬と中型犬のちょうど境目」。その場合、お薬は小型犬用を買うべきか、中型犬用を買うべきか迷っているという質問です。確かに難しい問題ですね。今回はそれを一緒に考えていきましょう! 食っちゃ寝、食っちゃ寝してたらね、太ってしもたんですわ~。 服のサイズがMかLか微妙なところ。 こういう時、迷いますよねぇ。 Mを買いたいけれど、Lじゃないと入らないんじゃないかという不安感!女子の悩みやね。あはは ・・・。 食べるのを止めて運動をすれば、どうじゃ? ・・・ん? ミーナスはどうやら食べ過ぎで、サイズアップしているようです。MサイズかLサイズかというのは、女性にとっては深刻な悩みですね。ペットたちの場合でも、小型なのか、大型なのかというのは、投薬の場面で飼い主を悩ませています。 今日のお題 小型?中型?微妙な体重のペット。お薬は何型用を選べばいい? 小型なのか?中型なのか?うちの子のサイズはどれ?! 今日は、小型とも中型とも言える境目の体重の犬の場合、どうすれば良いのかを考えてみましょう。フィラリア予防薬の投与量は、犬や猫の体重を元に決められています。お薬の箱には「小型犬用、中型犬用、大型犬用」などと分類され、「小型犬は〇〇kg~〇〇kg」までと明記されています。ただ、もし我が家のペットの体重がその境目だった場合、飼い主さんは大パニック!うちの子は何型なの?!と頭を抱えていらっしゃるようです。 また例えば、中型犬用の予防薬では「11kg~22kg」と体重に開きがあるため、11Kgのワンちゃんの場合、22kgの子と同じ量の薬を投与して大丈夫かと心配されるようです。結論から言うと、大丈夫です。その理由を次の章で見てみましょう。 フィラリア予防薬なら、多めに与えても大丈夫 大丈夫と言った根拠は、含まれている有効成分量にあります。フィラリア予防薬に含まれている有効成分は、非常に低用量なのです。例えば、フィラリア予防薬の代表的な有効成分であるイベルメクチン。フィラリア予防薬と他の寄生虫駆除では、こんなにも含有量が違うのです。 犬の毛包虫という皮膚の寄生虫の駆除に使われる場合 : 体重1kg当たり300~400μg フィラリア予防に使われる場合 : 体重1kg当たり6μg前後 その差はなんと50倍。フィラリア予防薬に含まれるイベルメクチンの量がいかに低用量であるかが分かります。 そのため、フィラリア予防薬を多少、多めに与えてしまったとしても、大きな問題にはなりません。そのため、体重が境目であるならば、念のため、大きいサイズに合わせたお薬を投与した方が良いでしょう。 ちぎって投与するなら、用量をしっかり計って 飼い主さんの中には、ワンちゃんの体重に合わせお薬を割ったり、ちぎって与える方もいるそうです。動物病院でも、体の小さいペットで、最も小さい犬用の薬でも大きすぎる場合は、割ったりちぎったりすることがあります。それ以外では、体重に合わせて既成のお薬を与えることが多く、ちぎったり割ったりはあまりしません。 もし、どうしても体重に合わせた分量で服用させたい場合は、フィラリア予防に効果を発揮する以下の量を順守しましょう。 ただし指示された用法ではありませんので、オススメはできません。 成長期の子の場合、短期間で体重が倍増することも もし何カ月分かをまとめ買いしたいとお考えの場合、ペットの体重の増加に気を付ける必要があります。成長期の子の場合、短期間でも体重が倍増することもあります。その場合、小型犬から中型犬にあっという間に成長し、お薬の含有量が足らなくなることがあるからです。投与前には必ず体重を測定して、お薬を買われることをおすすめします。 肝臓が悪い場合は、必ず獣医師に相談してから もしペットが肝臓が悪いと診断されているなら、投薬には気を付ける必要があります。薬は肝臓で代謝されるため、肝臓の機能が悪いと、薬が効きすぎてしまうことがあるからです。その場合は、投薬時には必ず獣医師に相談しましょう。 犬も猫も、人間と同じようにちょっとしたことで体重の増減のある動物です。我が家のペットの体重をちゃんと把握して、適切な量のお薬を投与してあげたいですね。 参考資料 『カラーイラストですぐにわかる図解動物臨床薬理学』inter zoo (2003) Photo By. http://www.flickr.com/photos/australianshepherds/3222035439/