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ペットくすりの公式キャラクターがお送りする、犬や猫のお薬や病気・健康維持についてのブログです。 ブログの内容は、獣医さんの監修ですが、同じ病気でも症状や個体差等により対応が異なることもあります。大切なペットのことですので、お薬の投与や症状に関しては、必ず実際に診察を行い獣医師の判断に従うようにしましょう。

飼い主が知っておきたい秋冬の猫の病気。気をつけるべき4つのこと。

爽やかな秋晴れが心地よい季節がやってきましたね。秋から冬にかけて、ニャンコが気をつけた方が良いことをまとめてみました。

猫の病気は、症状が表に出にくいです。そのため、飼い主が見逃したり、人間同様に扱って自己流の治療をしてしまったりして悪化させてしまうことがあります。中には命にかかわる病気もあります。PK_BLOG.jpg12345678

秋冬に多いニャンコの病気とは?

 

猫に多い病気は、尿石症(尿結晶、尿結石)等があげられます。

尿石症とは、尿結石が原因で排尿障害を起こす病気で、結石が膀胱や尿道にできると、おしっこが出にくくなったり、血尿になってしまいます。また、悪化すると尿毒症から死にいたることもあります。
この病気は、特に秋冬に、注意が必要になります。

秋冬に多い理由は?

 

尿結晶ができる原因も、尿結晶の種類もいろいろあります。
一般的には、肥満・運動不足・水分摂取の減少・栄養バランスの悪さや感染症などがあげられます。

猫は、もともと水分摂取が少ないので、尿結石ができやすいのです。特に、秋から冬にかけては、尿結晶が出来る原因と考えられる
運動不足や水分摂取の減少、肥満などの問題が起こりやすくなります。そのために、
秋から冬にかけて、特に増えやすい病気といえます。7620319206_d7143825d4

肥満との関係は?

 

飼い主さんができる尿石症対策の中で、もっとも重要なことは、「食事」です。

バランスの良いフードを与えることはもちろんですが、人間の食べ物や猫の体に悪いおやつを与えて、栄養バランスを崩しては意味がありません。おやつもよく考えて、与えてあげましょう。

肥満にも十分注意が必要です。
厳しい冬を前に、多くの動物の体は、秋のうちにできるだけ多くの栄養を体に蓄えようとします。
本能のままに、要求されるだけ食べ物を与えていると、尿石症だけでなく、万病の元となる肥満の原因になります。
しっかり、体重管理をしてあげましょう。

結石の蓄積を防ごう!

 

トイレを使いやすくすることで、小さな結石がおしっこと流れて体に蓄積されないようになります。

また、寒くなると水分摂取量や水分摂取回数が減ってしまうので、水を自由に飲むことができる環境をつくることが大切です。
尿石症は、遺伝などの体質にも大きく左右されがちです。

結晶ができやすい体質かな?と思ったら、結晶・結石が流れていきやすいように、ニャンコの飲みものの工夫をしましょう。
例えば、お肉や骨でとった「出汁」をお水の変わりに用意してあげましょう。「出汁」なら飲んでくれる場合も多いようです。

飼い主さんが病気予防の工夫を色々取り入れてあげることによって、秋から冬もニャンコが元気に過ごせますね。

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フィラリアの基礎知識と冬のフィラリア予防について

フィラリアの予防シーズンといえば、地域で差がありますが、一般的には毎年春〜秋が多いですね!
もう10月に入りましたが、まだ全国的にフィラリア予防は必要ですので、飼い主の皆さんも予防を続けていらっしゃることと思います。
今日は、フィラリアの基礎知識と、これから来る冬にむけて、一般的にはフィラリア予防のシーズンと言われていない「冬」のフィラリア予防についてもお話ししたいと思います。

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フィラリアの基礎知識

ワンちゃん・猫ちゃんの飼い主の皆さんは、ある程度フィラリアのことをご存知かもしれませんが、まずはフィラリアの基礎知識をおさらいしてみましょう。

フィラリアの成虫は犬の体内で幼虫を産み、幼虫は血液中に寄生します。この血を蚊が吸うと、蚊の体内で幼虫が成長し、感染力を獲得します。
この感染能力を持った幼虫を保有している蚊に刺されると、感染幼虫が犬の体内(皮下や筋肉の中)でさらに3ヶ月かけて成長し、その後、血液の流れに乗って心臓に向かいます。約半年で幼虫が成虫になって、心臓や肺動脈に住みつきます。
感染しても、症状が現れるのはしばらく時間がたってからです。
多くは数年が経過してから症状が現れ、初期にはほとんど症状を示しません。

 

フィラリアへの感染リスク

フィラリアへの感染リスクは予防を行わないとどれくらいなのか、ご存知でしょうか?

実は蚊のいるシーズンをフィラリア予防なしで3回過ごした犬では100%フィラリアに感染していると言います。これは、結構な確率だと思いませんか?
お薬を飲ませたつもりで実はこっそり吐き出していたり、きちんと予防のシーズンを理解せずに中途半端な投薬で終わってしまう、これが何回も繰り返されればフィラリア症を発症する可能性も高まってしまいます。

 

フィラリアの予防

フィラリアは100%お薬で予防できる病気ですが、このお薬を飲む場合にも注意が必要です。フィラリアの予防薬は獣医師の処方箋が必要な薬なのですが、これはすでにフィラリアに感染しているわんちゃんに予防薬を飲ませることで、死んだ幼虫が心臓に詰まってしまったり、死んだ虫のアレルギー物質に反応して、わんちゃんが死亡してしまう可能性があるからです。
そのため予防薬の処方前には血液を少しとって、血液の中に幼虫が潜んでいないか?感染時に見られる免疫反応が起こっていないか?などを確認し、検査の結果が陰性であればフィラリアの予防ができます。そのため、去年投与し忘れたものが残っているから、とご自身の判断で投薬を行うのは、絶対に避けるべきだといえます。
また、蚊取り線香や蚊よけのグッズ(扇風機タイプのものなど)では蚊の飛来を抑制できても、蚊に刺されるのを完全に防ぐことは不可能です。

 

冬のフィラリア予防

では蚊がいなくなる秋〜冬はフィラリアの予防を行わなくても大丈夫なのか?
これは、なんとも言えないですが、100%フィラリアにかからないと言うことは言えません。
蚊は14度以上の気温が保たれていれば吸血活動をします。そのため、お家の中や駅、お店など、冬でも過ごしやすい気温で過ごせる環境が非常に多いので、最近では冬でも蚊が活動しています.

ご存知ない方も多いのですが、フィラリアの予防薬とは「フィラリアに感染させないためのお薬」というわけではなく「フィラリアの幼虫を体内で成長させないお薬」つまり駆虫薬なのです。蚊の活動が盛んになるシーズンとフィラリアの予防シーズンは1ヶ月ほどずれて設定されており、蚊がいなくなってから1ヶ月後まで飲ませることになっています。
これは上でお話しした蚊の成長サイクルを定期的な検査と駆虫で食い止め、体内で成長・増殖して症状が現れないようにするには、蚊がいなくなるまで予防薬を飲まなければ、蚊の成長サイクルが密かに進行してしまう可能性が高いからなんです。

こういった「予防」の仕組みを考えると、ご自宅の周辺などで、冬場にも蚊が飛んでいるのを見たことがある場合や温かい気候の地域に旅行に行く予定がある場合にはフィラリアの予防を冬も継続した方が良いでしょう。
最近ではノミやダニなどのが体表に寄生する寄生虫なども一緒に駆虫できるタイプのフィラリア予防薬も開発されています。また、おやつ感覚であげることができるチュアブルタイプのものなども出ています。フィラリアだけでなく、お腹に寄生する虫や体表に寄生する虫などを一緒に駆虫するタイプのもので寄生虫による病気を予防することはわんちゃん本人だけでなく、一緒に遊ぶ飼い主様や他のわんちゃんや猫ちゃんにとっての安全にもつながりますよね。


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フィラリア予防の投薬期間はどうしたらいい?

フィラリア症を発症させないためには、第一に薬をきちんと蚊がいなくなった後の1ヶ月間も投与し、投薬ペースはしっかり守ることです。またお住いの環境をチェックするのも重要でしょう。多くの時間を過ごすのはお家の中、あるいは外です。室内犬でもお散歩時には外出しますが、こういった外の環境でどれくらいの時間を過ごしているのか、周りには蚊の発生しやすい環境(水たまりや湿地など)はどれくらいあるかなどを考えて、使用する予防薬の効き目の広さや期間を調整しなければ完璧な予防とは言えません。

しかし、わんちゃんや猫ちゃんの体調や年齢によってもお薬の利用は調整すべきなので、冬場の予防薬投与についてはかかりつけの獣医さんに相談するのが一番でしょう。
せっかく病院でお薬をもらっても、投与期間が短かくてフィラリア症を発症してしまったらとっても悲しいし悔しいですよね。
大切なわんちゃん・猫ちゃんがフィラリアのせいで命の危険にさらされることがないように、投薬期間などを獣医さんと相談しつつ、しっかり対策していきましょう!

 

 

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アレルギーがあるペットへの投薬方法を学ぼう!

「アレルギー」という言葉は日頃から結構よく耳にしますね。
例えば小麦アレルギーとか金属アレルギーや紫外線アレルギーなど・・・いろいろありますね。今回はアレルギーのあるワンちゃんネコちゃんへの投薬についての留意点についてまとめたいと思います。PK_BLOG.jpg252525

アレルギー反応、アレルギー症状とは?
 

アレルギーとは体の免疫が、自分の体の中に本来無い物質を過剰に攻撃し、自身の体にまで害を及ぼしてしまっている状態のことを言います。この現象を「アレルギー反応」、攻撃対象は「アレルゲン」と言います。

この状態に陥って現れる腫れやかゆみ、赤みなどの皮膚疾患や下痢などが、いわゆる「アレルギー症状」です。

お薬でも起こるアレルギー反応 と留意点。

 

アレルギー反応は、もちろんお薬でも起こることがあります。

今まで予防接種の時に「お薬を打って具合悪くなっちゃったことはないですか?」
と聞かれたことがあるのではないでしょうか?

これはアレルギー反応が出なかったかどうかの確認です。

健康な子がワクチン接種でアレルギー反応を起こす確率は、宝くじで1等が当たるのと同じくらいの確率と言われているので、それほど心配する必要はないでしょう。

しかし、ワクチンというのは病気の原因毒素を弱めて作ったものなので、もともと体調がすぐれない状態でワクチンを打ってしまうとアレルギー反応などで具合が悪くなる可能性が高まります。

アレルギー反応と投薬のタイミング。
 
体調が悪くて薬を飲ませなければならない時、過去にアレルギーを起こしたことがある子はどうしたらいいのでしょうか?

注意点としては、まずは、何かに対するアレルギーの有無に関わらず、新しいお薬を飲ませた時には、できるだけ注意して様子を見てあげることです。

アレルギーの反応には即時型と遅発型の2種類があります。即時型の場合は、命に関わるような重篤なアレルギー反応はお薬を投与してから比較的すぐに現れます。症状の例としては顔が腫れてしまったり、吐き気や嘔吐、貧血などです。急激なアナフィラキシー反応で投与直後に貧血でグッタリしてしまうケースがあります。

遅発型の場合は、すぐには症状が出ず、少し経ってから熱が出たり、気持ち悪そうにしたりすることなどです。

予防接種や新しいお薬をあげたときは、いつどんな症状が出るのかが予測できません。
そのため、午前中の時間帯に飲ませるのがベストでしょう。お留守番させる直前に新しいお薬を飲ませることは避けて、何かあったらすぐに病院に連れて行けるようにしましょう。502415977_9f647e6a7f

環境の変化にデリケートなペット。
 

ペットは、人間より環境の変化に敏感で、自分が暮らしている環境が変わってしまうことに対してとってもデリケートです。
ペットホテルや知り合いの方に預ける直前、もしくは預けている期間中に新しいお薬を使い始めるのは避けましょう。

環境が変わると性格が豹変したり、ストレスで体調を崩したりする子が結構います。そのため、普段からその子がどんなふうに過ごしているかをよく知っている飼い主さんがそばにいて、普段よりも体調の変化に気を配ってあげるということが重要です。

そして、お薬を投与した後「普段とは違う様子で、なんだか具合が悪そう・・・」という場合には、まず動物病院に電話をし、獣医師の判断を仰ぎましょう。

 
ペットの健康管理手帳を作って記録しよう。
 

お薬や食べ物でアレルギーを起こしたことがあるのであれば、「何を摂取して具合が悪くなったか」を記録しておくことが非常に大切です。
ペットが使ったお薬やシャンプー、食べたもの、注射などで具合が悪くなったことがあるものを記録しておくこと、そしてその情報を動物病院と共有することは非常に重要です。シンプルなことですが、どちらも飼い主の方じゃないとできない大切なことです。

ペットのアレルギーとは上手につきあっていきたいものですね。

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