Author Archives: ワンニャルド先生

ペットのフードアレルギー

 アレルギーとは

アレルギーというのは簡単に言うと、免疫機能の過敏反応です。免疫とは本来、自分の身体を守るためにあります。これが弱ると様々な病気に罹ってしまい、大変な事になります。ですが、それが過敏に反応し実際には退治しなくても良いものまで‘敵とみなし、攻撃するようになると、それも身体にとって、有害な反応として現れるのです。

【食物アレルギー】
一般的な食物アレルギーの原因(アレルゲン)は、牛肉、乳製品、穀類(小麦・大豆・米)、鶏肉、卵です。食物アレルギーは、どの年齢でも現れますが、ワンちゃんネコちゃんでの好発年齢は1~3歳です。食物アレルギーでは、3ヶ月齢までの食生活が大事だと言われています。この頃に人間の食べ物をいろいろ食べていると、食物アレルギーになりやすいと言われています。

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【アレルギー症状】

食物アレルギーの症状には、下痢、嘔吐、皮膚炎、外耳炎などです。ひどい場合には黒い便が出る事もあります。これは胃酸で変色した血液が混ざった便です。食物アレルギーによる皮膚炎は、口のまわりを中心とした顔に出やすいのですが、全身のどこにでも出てきます。舐める、掻く、噛むなど、痒みに伴う動作を示し、脱毛や発赤が認められます。

食物アレルギーの診断は、かなり時間のかかるものです。血液検査である程度の目安はつきますが、それから、「除去食試験」「負荷試験」をしなければ、確定診断には至りません。

 

●除去食試験とは、上記に挙げた一般的な食物アレルギーのアレルゲンを取り除いたフードや、アレルゲンとなるタンパク質を加水分解してアレルギーを起こさないようにしたフードを与えるといったものです。これには12週間ほどかかります。これで、症状が出なくなったら、食物アレルギーと言えます。ただし、これは口で言うほど、簡単なものではありません。決められたフード以外、何も与えてはいけないのです。家族の誰かが「少しくらいいいだろう」と、ほんのちょっとでもおやつを与えたら、除去食試験は失敗してしまいます。飼い主さんも忍耐強く頑張らないといけないのです。

除去食試験で食物アレルギーであるとされたら、次に負荷試験を行います。

●負荷試験とは、アレルゲンになりそうな食材をわざと与える事です。これは1つずつ行います。例えば、まずは牛肉を与え、大丈夫だったら、次は鶏肉、これも大丈夫だったら、次は卵、といった具合です。これも何週間もかかる試験です。

手間と時間はかかりますが、これで食物アレルギーのアレルゲンを特定できます。アレルゲンが特定できたら、それを与えないようにする事で、アレルギーの症状を防ぐ事ができます。

 


食物アレルギーは、獣医師も診断するのが難しい病気です。
例えば、「長引く下痢を、ずっと下痢止めや整腸剤だけで治療しているのに治らない。実はそれは食物アレルギーだった」という場合もあります。

「食物アレルギーかな?」と思ったら、自己判断せず、必ず動物病院を受診しましょう。

 

 

参考資料:最新家畜微生物学 朝倉書店(1998)
http://www.royalcanin.co.jp/new/health_nutrition/health/food_allergy/

 

Photo by  https://www.flickr.com/photos/aon/2240802446/

 

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ペットの口臭

 ワンちゃんネコちゃんのお口は、ほとんど臭わないのが正常です。
口臭を感じるという事は、それは何らかの病気のサインだと思ってください。

 

 【口臭と病気】
一番疑われるのは、歯周病です。これは日常的に歯磨きしていれば防ぐことが出来ます。歯石や歯垢の沈着で、臭いがしてきます。これは、歯の表面や舌に存在している細菌が、タンパク質や歯垢を分解した時に出来る揮発性イオウ化合物のためです。歯周病はひどくなると、歯肉の炎症ばかりでなく、歯を支える骨まで破壊されていきます。これも揮発性イオウ化合物’が、骨を溶かしてしまうためです。こうなると強烈な口臭がします。こうなってしまったら、日常のケアだけではどうしようもありません。動物病院で治療を受けるより他はありません。

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ネコの口臭と病気

ネコは口内炎が多くあります。口の中の粘膜や歯茎が腫れ、潰瘍を起こし涎を垂らします。ひどくなると、涎に血が混じる場合もあります。この場合も、強烈な口臭がします。口内炎は痛みが強いので、食欲も低下します。

ネコの口内炎は、様々な原因が考えられますが、ウイルス性の病気の影響、特に猫エイズのネコには、口内炎が多くみられます。今は猫エイズのワクチンが発売されていますから、猫エイズ予防には、ワクチン接種も考えてみると良いかもしれません。また、室内飼いで外猫ちゃんとの接触を避ければ感染も防げます。

ネコのウイルス感染(カリシウイルス、ヘルペスウイルスなど)も、口臭の原因となります。主な症状は鼻水とくしゃみで、ネコカゼとも呼ばれるこれらのウイルス感染症は、混合ワクチンで防げるので、ワクチン接種を考えてみてください。

 

その他の原因
口臭の原因には。腎不全も挙げられます。ネコに多い病気であり、急性腎不全の結果、尿毒症になると、独特のアンモニア臭がします。また慢性腎不全は、口内炎を起こしやすくし、やはり口臭がします。腎不全では、食欲低下、嘔吐もよく見られます。急性腎不全では尿は減り、慢性腎不全では反対に尿は増えます。口臭がしたら、腎不全でないかも疑うことが必要です。
また、口の中や胃や腸、肺などにガンが出来ていても口臭はします。

 

このように、口臭は様々な病気が原因となって起こります。
口臭は甘くみず、しっかりと原因をつきとめ治療しましょう。

 

参考
http://www.petjpr.com/column/news-bin/Detail.cgi?rgst=00000114&CatgM=8
http://www.petwell.jp/disease/cat/symptom/sy-koushuu/
http://www.petwell.jp/disease/cat/symptom/sy-koushuu/

 

 photo by  https://www.flickr.com/photos/oprior/71962353/

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異物を誤飲してしまったら?

犬・猫の誤飲とは

ワンちゃんネコちゃんが摂取してはいけない物は、多数あります。
例えば、ネギ類、チョコレート、タバコ、殺鼠剤、殺虫剤、除草剤、車の不凍液、
人間用の風邪薬(アセトアミノフェン)
などです。

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これらのような物をペットが、誤って摂取してしまった場合、どうすれば良いか?
出来れば、大至急、動物病院に連れて行くのが一番です。
ですが、どうしてもその時間にすぐに診てくれる病院が見つからない場合、応急的な処置法をご紹介したいと思います。

 

<応急処置>
まず、毒物を摂取してしまった場合は、早急に吐かせる事が肝心です。
動物病院では「食塩を大量に摂取させた上で、水を飲ませる」「‘トラネキサム酸’という薬剤を大量に静脈注射する」「オキシドール(過酸化水素水)を飲ませる」などの方法をとります。

トラネキサム酸は、美白効果のある化粧品などにも含まれている物質ですが、さすがにこれを使うわけにはいきません。
一般家庭で選択できる方法としては、食塩かオキシドールになるでしょう。

●食塩は、小型犬では大さじ1杯程度、大型犬では6~7杯程度を、口を大きく開いて舌の奥の方に置き、飲ませます。そうすると、喉が渇いて、大量の水を飲み、嘔吐します。
ただし、確実に吐いてくれるとは限らない上、この方法は腎臓に負担をかけます。腎臓に持病のあるコには使えません。

●オキシドールの場合、体重10㎏前後のコなら、だいたい10~12ml程度を飲ませます。オキシドールですが、これは薬局やドラックストアで簡単に手に入ります。
オキシドールは胃に達すると、胃液と反応して泡立ちますから、それが刺激になって、嘔吐します。前述の量を飲ませて10分程度様子を見ても、まだ嘔吐しない場合は、同じ量をもう1度飲ませる事が出来ます。この方法は、食塩を使う方法より、腎臓に負担をかけません。ただし、胃が荒れるので、しばらくはムカツキが残り、再度、嘔吐するかもしれません。

 
上記の方法で、嘔吐できたとしても、やはり動物病院には受診する事をオススメします。

 

 

photo by  https://www.flickr.com/photos/mmoosa/3153777171/

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ノミ・マダニ駆除薬の適切な投与時期

ノミに対する予防

ノミが発生するのは暑い時期、特に梅雨に最も発生します。予防はそれより前にする必要があります!

ノミは犬、猫の体表で繁殖し、メスは一日に最大約50個の卵を産み、その卵は表面がつるつるしており、犬、猫の体表から滑り落ち周囲の環境下に落ち環境下で成長していきます。つまりノミをみつけたら最大約50倍もの未成熟なノミ(卵、幼虫、さなぎ)が環境にいることになり、一度大量発生してしまうと爆発的に更に大量のノミが発生することになります。

このことからピークになる前からの予防は特に重要となります。

 

<夏場以外にもノミはいる?>
ノミの被害は暑い季節、梅雨時や夏場だけの問題ではありません。ノミは気温が13度以上であれば、夏冬関係なく卵から成虫までのライフサイクルが繰りかえします。温度や湿度が最適な夏の時期は2~3週間でライフサイクルを繰り返すノミですが、寒くなるとそのサイクルは何倍にも長くなります。13度を下回るとノミはサナギの状態で越冬しそして適温になったところで成虫になり、ペットに一斉に寄生します。

最近の住宅事情によりペットが屋外で飼われるより室内で飼われるケースが多くなりました。
そのため環境温度が冬でも容易に13度以上になることがあり、ノミのライフサイクルが進み成虫となり寄生する可能性が増加しています。調査によって冬でも犬では10頭に1頭、猫では5頭に1頭がノミの被害を受けている報告があります。

このことからマダニと同様に通年予防しておくのが最善の策といえるでしょう。

 

マダニに対する予防

マダニは通年をとおして発生しているため毎月の定期的な予防が最善です。

少なくとも時期的でいえばに5〜9月に大発生をするためその時期が始まる一ヶ月前、つまり4月からは予防した方がよいでしょう。
特にこの時期は夏の行楽シーズンでもあり、マダニがよくいる林、森林に行く機会も増え、マダニが寄生する機会が増えることになるので注意が必要です。林や森にいかなくとも、都市部で公園やなどでマダニの寄生する報告もあるため、森林にいかない場合でも予防することは必要です。

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子犬、子猫に対する予防

ノミ、ダニの予防薬の種類によって時期は様々ですが、ほとんどの予防薬が6〜10週齢以上の子猫、子犬で安全性が確認されています。

子犬、子猫はまだ成犬、成猫とちがい免疫機構がしっかりと確立していない状態なため、その仔のいる環境下によっても違うと思いますが、ワクチンがしっかり接種しおわってからでも(少なくとも初回の混合ワクチン接種後)遅くはないと思います。また塗布薬の場合、個体差もあると思いますがどうしても小さい個体(猫やチワワなどの超小型犬)だと液量も多くなるため塗布薬を舐めないよう注意が必要です。

ノミに関していえば子犬、子猫に大量にノミが寄生することで貧血を引き起こすケースがあるため、
ノミがいるのを確認したら早めに予防することをお勧めします。

 
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ノミ・マダニ駆除薬の上手な選び方

ノミ・マダニ駆除薬ってどんなのがあるの?

ノミ・マダニの駆除薬というと皮膚にたらすタイプが主流でしたが、今現在は、
首輪タイプ、シャンプー、内服タイプ、スプレータイプ、スポットオンタイプ(垂らすタイプ)
どれがいいか考える前に、それぞれの特徴などを知りましょう!

①首輪タイプ
ノミ・マダニを駆除する成分がしみ込んだ首輪を動物の首に巻くことにより、効果を発現。
利点:比較的長期間効き値段も安価にすむ。
欠点:紛失の恐れ有り。首輪の周囲しか効かないものもあり。

 

②シャンプー
ノミ・マダニを駆除する成分がしみ込んだシャンプーにより定期的にシャンプーで駆除。
利点:駆除と洗浄の同時に行える。値段も安価にすみます。
欠点:効果の期間が短い。駆除するのに洗わなければならず手間がかかる。

 

③内服薬
飲み薬で駆除するタイプです。
利点:速攻性あり。皮膚弱い子でも投与可能
欠点:食べない可能性あり。体調や個体差で、嘔吐する報告もあり。

 

④スプレー式
ノミ・マダニの駆除液を噴霧して投与するタイプ。
利点:野良猫など触れない動物にも駆除が可能。
欠点:塗布量によっては確実に駆除することが難しい。

 

⑤スポットオンタイプ
ノミ、マダニのお薬の主流。皮膚に駆除液を少しだけ垂らすタイプ
利点:簡単に処置出来る。種類によってはノミ・マダニ以外の寄生虫も駆除可能
欠点:皮膚に痒み、発赤、脱毛など反応がでることあり、効果に時間がかかる場合もある。(経口薬のように即効性のある場合もあり)

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愛犬、愛猫に最適なノミ・マダニ駆除薬は?

現在、主流になってるスポットオンタイプは皮膚に直接つけられ簡易な予防ですが、首輪、スプレータイプも含め、体に何かつけられると嫌がる子であれば、つけることでストレスになりその塗布部位を舐めたり自傷したりすることがあります。
 また、件数自体はかなり少ないですが、塗布部位が脱毛、発赤したという報告もあります。
塗布薬自体は基本的に昆虫に作用するもので、犬、・猫に影響があるものでありませんが、基材がアルコール製剤のものあるため、嘔吐したりすることもあります。
そのため皮膚が敏感な子、何か体につけられるのが嫌な子であれば経口薬をすすめします。

 

普段から食べ物などにこだわりがあり、決まったフードや、おやつしか食べず
経口薬では、飲ませるのに苦労しそうな、偏食気味の子には、スポットオンタイプやスプレーをおすすめします。

 

ノミ・マダニ以外に他の寄生虫も同時に予防したい時は、同時に予防、駆除できるスポットオンタイプをおすすめします。
ただ薬によっては、ノミと他の寄生虫のみで、ダニが予防できない薬もある為、塗布前に確認する必要があります。

 

【ノミ・マダニが寄生してしまった場合の駆除薬は?】
ノミ・マダニの寄生してるのを発見した場合は、即効性がある経口薬がおすすめです。
スポットオンタイプでも即効性が強いものもありますので、それらを選んで投与することをおすすめします。

 このようにノミ・マダニ駆除薬といっても、様々な予防薬があるため、飼われている犬・猫が、どのような性格か、健康状態はどうか、どのような環境で生活しているかを総合的に捉えて、使い分けるのが一番です。
健康状態は飼い主の判断だけでは不十分な場合も多いので、獣医に相談し確実で安心なノミ・マダニ駆除薬を選びましょう。 

 

Photo  by    https://www.flickr.com/photos/rastafabi/4999304169/

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犬・猫のストレス解消法は?

犬・猫のストレスとは?

犬、猫がストレスを感じているかを見分けるのは、大変難しいことです。
個体差があり・その子達が経験した時に得た学習・その際の強化されたもの(匂い、音、飼育環境)
など様々な因子が関わっているためです。
では、ストレスを感じている犬や猫はどのような行動に出るのでしょう?
下記で確認してみましょう。

【ストレスによる問題行動】
犬・猫がストレスによって起こす問題行動としては、
●不適切な場所での排泄
●過剰に吠える
●攻撃行動(咬む、引っ掻く)
●肢端舐性皮膚炎(肢端を繰り返す舐めることでおこる局所の外傷、中手骨以下の前肢に多い)
●●繊維摂食(特に小型犬、猫に多い)

犬の場合
●尾追い行動(自分の尾を追いかけて回転を頻繁に繰り返す、しまいには自傷し出血する。)

猫の場合
●心因性舐性脱毛(舌が届く範囲の被毛を舐め続け脱毛させる。鼠径部、大腿部、下腹部から始まることが多い。)
●問題行動だけでなくストレスによって、膀胱炎などの泌尿器の病気をひき起こす原因にもなっています。

これらだけがストレスによって起る行動変化ではありませんが、比較的多く見られる行動です。
ストレスによる問題行動や、身体の変化は個体差があり、千差万別です。

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ストレスと原因と対処

まずペット達をよく観察し、上記のような行動がないか注意してみましょう。
そして、ストレスを感じているような行動があれば、何がその原因になっているか
探しましょう。そのような行動をするようになるにはなにかしらの理由があるはずです。
特に猫の場合は環境の変化でストレスを感じることが多いとされています。

●今まで一日中一緒に生活していたのに、仕事等を始め留守にする時間が多くなり、遊ぶ時間が減った。
●散歩の時間、回数が減った。
などの飼い主さんや行動への欲求不満によることや、

●近隣で工事がはじまり常に騒音がある。
●引っ越しにより場所が変わった。
●暮らす環境に、人もしくは動物が増えた。
などの環境の変化でも起こりえます。

このようなこ事が、問題行動をする前になかったのかを確認してみてください。
ストレスの原因となっている可能性が高いです。

 

ストレスの対処、解消法
対処や、解消法はペットの性格や状況、飼い主さんの生活環境等によって変わっていくので、
何がいいとは、一概にはいえません。
一緒にいる時間を増やしたり、運動されたり、またはきちんと投薬するなども必要です。
逆効果になるケースもあるので、状態を獣医さんに相談して判断をあおぐのが良いでしょう。

例えば、
急に腹部を自傷するようになり下腹部中心に脱毛をした猫が来院されました。
被毛などの状態から心因性舐性脱毛と診断しました。
その原因は飼い主さんが寒いからといって着させた服が原因でした。
投薬は何もせず服を着させず様子みたところ、段々と被毛が出現し
今では脱毛前とほぼ変わらないところまで、被毛が出現しました。

このように些細なことでもストレスを感じてしまい、様々は問題行動を起こしますので、
日頃からペットをよく観察して、ストレスのない環境作りすることがペットにも飼い主さんにも必要です。

 

 

Photo By  https://www.flickr.com/photos/cutenadevil/5185896885/

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子犬に多い皮膚病「アラカス(ニキビダニ)」

最近、複数の方からお問合せ頂いたのが「アラカス」という、ニキビダニを原因とした皮膚病のこと。流行の兆しでしょうか?どんな皮膚病なのか、ご紹介します。

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毛穴の中に寄生する小さなダニ「ニキビダニ」
ニキビダニ症、アカラス、毛包虫症、デモデックスなどと呼ばれる病気をご存知でしょうか?呼び方はいろいろですが、全て同じ寄生虫による皮膚病のこと。毛穴の中に寄生する小さなダニです。

犬に多いダニで、稀に猫にも寄生しています。ニキビダニはヒトにもいますが、ヒトに寄生するニキビダニと犬や猫に寄生するニキビダニとは種類が違うので、ペットからヒトに感染する心配はありません。

 

抵抗力が弱まると症状が出る皮膚病
このニキビダニは、少量なら健康な動物にも寄生しています。体が弱っている時や、もともと抵抗力のない子犬や老齢犬で、症状があらわれます。特に子犬に多い皮膚病です。

ニキビダニの寄生部位は、二次感染を起こし、膿疱、膿瘍が形成されます。またアレルギーを併発している場合も多くあります。

 

治療法は殺ダニ剤の投与
診断は、皮膚を引っ掻く専用の器具で、少し出血するくらい皮膚を引っ掻き、水酸化カリウム液と混ぜて、顕微鏡で観察。ニキビダニを確認します。

治療法は、ニキビダニの虫体に対しては、有機リン剤、カーバメント剤、ホルムアミジン類と呼ばれる殺ダニ剤を使用します。外用で治療する場合も内服で治療する場合もありますが、どちらにしても、根気のいる治療が必要とされます。

 

ステロイド剤は絶対にダメ
二次感染には抗生物質を使用し、アレルギーに対しては抗アレルギー剤を使用します。ただし、ここで禁忌となるのはステロイド剤の投与です。通常、アレルギー治療ではステロイド剤が重要な薬剤となりますが、ニキビダニ症では症状を悪化させてしまうので要注意です。動物病院でもニキビダニを正しく診断できず、間違えてステロイド剤を処方し、悪化させてしまったという例もありますので、ご注意ください。

 

参考資料
新版家畜寄生虫病学 朝倉書店(1998)

Photo By
 http://www.flickr.com/photos/lukema/9613748751/

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絶対に食べてはいけない!犬や猫の毒になる食べ物たち

犬や猫の食べ物もバラエティあふれるものとなりました。犬猫用のバースデーケーキなどもお目見えし、すっかり家族として扱われるようになっているペットたち。しかし、人間にとって安全な食べ物でも、犬や猫にとっては毒になる食べ物があること、ご存知でしたか?

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ネギ中毒、煮汁を飲んだだけでも危ない!
代表的なのが、ネギ類(玉ねぎ・長ネギ・ニンニク・ニラも含む)。ネギ中毒は非常に知られているため、多くの飼い主さんが気を付けていらっしゃいます。しかし、動物病院には、「すき焼きの煮汁を飲んでしまった」「シューマイを食べてしまった」などといった患者さんが、たびたび、運ばれてきます。

ネギ類は、ネギを食べなくても煮汁を接種するだけでも危険なため、注意が必要です。危険な状態になる摂取量は、個体差が大きく、断言できません。小さな小さなカケラを食べただけで、命に関わる子もいれば、かなりの量を食べてもケロッとしている場合もあります。そのため、ネギ類は決して食べさせないようにすることが、肝心なのです。

 症状は貧血と同じ
ネギ類を摂取した犬や猫は、赤血球が破壊され、黄疸(体が黄色くなる)、血色素尿などの症状があらわれ、貧血になります。病院では、ネギ中毒には貧血に対応した治療が行われます。もしネギ類を食べてしまったら、食べた直後であれば、吐かせてあげましょう。時間が経過してしまったら、動物病院で適切な治療をしてもらってください。 

 

人間の風邪薬1錠は猫の致死量!
人間にとっては薬でも犬や猫にとっては毒となるもの、それが人間の風邪薬。「アセトアミノフェン」という非ステロイド系抗炎症剤、人間の風邪薬や頭痛薬には、よく含まれている薬剤です。これは猫にとって、非常に危険な物質なのです。人間の風邪薬1錠で4~5kgの猫であれば致死量になり得るほど。間違えても具合が悪い猫に、人間の風邪薬を与えてはいけません。 

赤血球の破壊と肝臓の壊死
しかし怖いのが落ちたものを飲み込んでしまった場合。薬を飲もうとして落としてしまったけれど、拾わずにそのままにしてしまった……ということ、意外とありませんか?非常に危険ですので、気を付けてくださいね。もし飲み込んでしまって時間が経過した場合、チアノーゼ、沈鬱、顔面浮腫、食欲廃絶となり、赤血球の破壊と肝臓の壊死による黄疸があらわれます。動物病院では、これらの症状に対して、貧血に対応した治療、肝臓を助ける補液などの治療が行われます。

 

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甘い誘惑。でも危険なチョコレート。 
犬の場合に怖いのが、チョコレー中毒。甘い物が好きなワンチャンは多いため、チョコレートは口にしてしまいやすいのではないでしょうか。食べてしまって時間が経過すると、嘔吐や下痢、多尿、興奮、発熱、痙攣などの症状がみられ、また腹痛や血尿、脱水を引き起こす場合もあります。その場合の治療は、補液によるものが中心となります。食べさせない、誤って食べた場合はすぐに吐かせるようにしましょう。 

 

人間も犬も猫も、タバコはNG!
犬や猫だけでなく、人間にとっても害があるのがタバコ。ニコチンに強力な毒性があることはご存知の通りです。ただ、口に入れると非常にまずいため、誤って口に入れたとしても自然に吐き出してしまいます。しかし最近、事故が増えているのは、禁煙のためのニコチンガムです。もちろん、これにもニコチンは含まれているので、注意が必要です。

 

車の不凍液。犬や猫にとっては甘い汁
驚かれるかもしれませんが、車の不凍液も危険です。こんなものを飲むなんてと思われるかもしれませんね。不凍液に含まれるエチレングリコールは少し甘く、犬や猫には美味しく感じられるようで、飲んでしまう子がいるのです。しかし、エチレングリコールは肝臓や腎臓の細胞を激しく痛めつけるため、決して飲ませてはいけません。

 

殺鼠剤を食べたネズミも毒
殺鼠剤、これももちろん危険です。殺鼠剤そのものを食べてしまう犬や猫は少ないのですが、殺鼠剤を食べたネズミを食べてしまう場合があるのです。間接的ですが、殺鼠剤を食べていることになるので、中毒は引き起こされます。ネズミの死骸は絶対に、食べされないようにしましょう。殺鼠剤を食べてしまうと、全身が出血状態となり、ひどい場合は死に至ります。

人間の生活を快適にするために作られた様々なものが、時として犬や猫を死に至らしめてしまうことがあります。代表的なのは、殺虫剤や除草剤です。使用する時は、犬や猫の口に入らないように気を付けてくださいね。

私たちの何倍も体の小さなペットたち。不注意で中毒を起こさないために、しっかりと注意をしてあげましょう。

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参考資料
毒性学~生体・環境・生態系~ 朝倉書店(2001)
http://www.nekohon.jp/neko/donteat-chemical.html
http://www.e-nioi.jp/byouki/choco.html
http://pet-net.sakura.ne.jp/kusuri/sonota4.html

Photo By.
http://www.flickr.com/photos/calliope/104314753/
http://www.flickr.com/photos/ajari/2353339423/
http://www.flickr.com/photos/sackton/8041853745/

フィラリア予防薬と食べ合わせの悪いもの

グレープフルーツジュースや牛乳で薬を飲んではいけないなど、薬には食べ合わせ、飲み合わせによっては危険なものがあります。では、フィラリア予防薬を飲ませる際にやってはいけないこととは、何でしょうか。

今日のお題
フィラリア予防薬と食べ合わせの悪いもの
 

好きなものと一緒に投薬しても大丈夫

以前に「フィラリア予防薬には死に至る副作用がある?」でも書きましたが、フィラリア予防薬は安全性の高いお薬です。そのため、基本的に食べ合わせの悪い食べ物というものはなく、錠剤を飲むのが苦手な犬や猫には、好物に包んで飲ませることができます。もし、牛乳が好物なら、薬をすり潰して牛乳に溶いて飲ませても、構いません。(ただし、牛乳でお腹を壊す犬の場合は、牛乳を与えるのは控えましょう。また、人間用の牛乳より犬用ミルクのほうが、お腹を壊すことは少ないです。)

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予防接種と同日接種はダメ

食べ合わせによる禁忌は無いもののの、避けた方が良いのは、他の予防接種との同時摂取。狂犬病のワクチンや混合ワクチンを打った当日に、薬を飲ませるのは止めましょう。特に錠剤やチュアブルなどの飲ませるタイプではなく、滴下型の場合、滴下箇所が注射部位と同じ場所のため、投薬は止めた方が良いでしょう。翌日以降であれば、問題ありません。

 

持病があるからこそ飲んでほしい

それ以外の薬との飲み合わせは、獣医師と相談しましょう。「他にも持病があって、薬を飲んでいるから、フィラリア予防薬は飲ませない方が良いのでは?」と自己判断するのは危険です。実際には、併用しても問題の無い薬が圧倒的に多いですし、持病がある犬こそ、フィラリア症にかかると、命取りになるからです。

 

滴下型薬で気を付けること

滴下型のお薬を使う場合は、シャンプーの前後24時間は滴下しないようにしましょう。効果が薄れるからです。滴下した後すぐにシャンプーをしてはいけない理由は、洗うことで薬が流れ効果が薄れる可能性があるためです。そして実はシャンプーをした後の滴下もおすすめしません。なぜなら、滴下型は、体の皮脂を伝って、全身に広がるため、シャンプーをして体の皮脂が洗い流されてしまった直後は、効果が薄れる可能性があるのです。

フィラリア予防薬は、基本的に安全性の高い薬。いくつかの注意点さえ知っておけば、安全に使用する事が出来ます。

 

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http://www.flickr.com/photos/wwworks/12157565465/
http://www.flickr.com/photos/ironypoisoning/7532830118/

薬が苦手な犬へのフィラリア予防薬の飲ませ方

犬や猫が薬を嫌がって飲んでくれないこと、ありますよね。フィラリア予防薬に限らず、ペットが嫌がる投薬時、どうされていますか?

たいていのお薬は飲ませるタイプが一般的です。フィラリア予防薬も同じ。そのため、投薬の際には各家庭で様々な工夫をこらしているようです。よく聞くのは、ペットの好物に包んで食べさせるという方法、チーズやソーセージに包んだり、蒸しキャベツに包んでといった飼い主さんもいるようです。

 

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錠剤→チュアブル→ピペットの順で試そう
錠剤型は好物に包んで、チュアブル型はそのままでも、たいていのワンちゃんは喜んで食べてくれます。しかし、どうしても食べてくれない敏感なワンちゃんも中にはいます。そういった場合、滴下型の予防薬を使うのが便利でしょう。滴下型の場合、薬を飲ませる必要はなく、ワンちゃんの体の自分では舐められない部分に、薬を垂らすだけで完了。人間の指で刷り込んだりする必要はなく、ただ滴下するだけです。

予防接種もあるけれど、副作用が心配
フィラリア予防薬には12か月間効果が持続する注射薬もあります。1年に1回、動物病院で注射をするだけなので、投薬忘れの心配もなく使いやすい薬ですが、副作用の報告が多くあります。そのため、予防接種を選択する場合には、しっかりと獣医師と相談をする必要があります。

内服薬の練習として錠剤を飲ませる
ただ、錠剤型の薬を飲ませることができないというのは、今後、病気になった時に、内服薬が使えないということ。お薬を飲んでもらう必要があるのに、飲まないから治療できないという状況を避けるためにも、あえてフィラリア予防薬で、内服薬に慣らすというのはおすすめです。

内服薬の練習をする場合、チュアブル型ではなく錠剤型を選びましょう。なぜなら、チュアブル型は自分から進んで食べてもらうことを考えて作られた「お菓子」のような薬。あまり練習にはならない上に、フィラリア予防薬以外では、チュアブルタイプというものはほとんどありません。

最終手段は、薬を口に押し込む
錠剤を好物に包んでも飲んでくれない場合、口を大きく開けて、喉の奥に押し込むという方法で、飲ませることができます。(お薬は投げ込まないでください。気管に入ってしまう場合があります)口を開けるのが難しい時は、まず口を触らせる練習から始めましょう。ワンちゃんの口の中に触れるのは、重要なこと。投薬だけでなく、歯磨きや舌の色の確認などもできるからです。

口は開けられるのに、薬を押し込んでも吐き出してしまうという場合は、薬を押し込む位置が手前過ぎるのかもしれません。もう少し、奥の方に錠剤を押し込みましょう。しかし、鼻の長い大型犬など犬種によっては錠剤を押し込むことが難しい場合があります。その時は、お薬を潰して水や単シロップ(ブドウ糖液)と混ぜて、スポイトで飲ませてあげましょう。フィラリア予防薬は、潰して使用しても問題ありません。

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