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ペットくすりの公式キャラクターがお送りする、犬や猫のお薬や病気・健康維持についてのブログです。 ブログの内容は、獣医さんの監修ですが、同じ病気でも症状や個体差等により対応が異なることもあります。大切なペットのことですので、お薬の投与や症状に関しては、必ず実際に診察を行い獣医師の判断に従うようにしましょう。

梅雨時期には要注意!犬の膿皮症、マラセチア、肺水腫!

こんにちは!オクスリラボです。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

最近雨ばっかりで嫌になっちゃいますよね~。きっとペット達も梅雨明けを待ち望んでいるのでは( > <)

気温が上がり、さらに湿度も上がる、この梅雨の季節。デリケートな皮膚を持つ犬や、心臓に持病を持つ犬にとっては、思った以上に負担がかかる時期です。

そこで今回は梅雨に気をつけたい犬の病気のうち、代表的な、

  • 膿皮症
  • マラセチア性皮膚炎
  • 肺水腫

という3つの病気についてお伝えしていこうと思います。

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膿皮症について

 

膿皮症とは

犬の膿皮症は、皮膚の細菌感染によって引き起こされる皮膚炎で、フケや脱毛、湿疹、かゆみなどが認められます。

最初は赤いポチッとした湿疹なのですが、放っておくと、どんどんと広がり、さらには他の場所にもできてしまうことがあります。

膿皮症は体中に起こりうる皮膚炎ですが、中にはアレルギー性皮膚炎など他の皮膚炎が併発しているケースもあります。

膿皮症の原因

膿皮症は細菌感染による皮膚炎ですが、その感染源となる細菌は、どこかから伝染したのではなく、『皮膚常在菌』と呼ばれる細菌による感染です。

皮膚常在菌は、通常は犬の皮膚に生息しているだけで、特に犬に有害な作用はなく、むしろ皮膚のバリア機能の一端を担う役割を持っていることがわかってきています。

しかし、何らかの原因で皮膚のバリア機能が破綻してしまうと、皮膚常在菌が異常増殖し、膿皮症を引き起こしてしまうと考えられています。

皮膚のバリア機能が破綻してしまう原因には、様々なものがありますが、慢性的に膿皮症を繰り返す犬の場合、アレルギー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎が原因となっていることが多く、これらは梅雨時期に悪化することが多い皮膚炎です。

そのため、梅雨の時期には膿皮症を患った犬が動物病院に多く来院するようになります。

膿皮症の治療方法

膿皮症は細菌感染による皮膚炎ですので、その原因菌に対する抗生物質を使用した治療が基本になります。

皮膚炎の場所が限られている場合は、塗り薬(外用薬)で治療できますが、多くの膿皮症は、見た目よりも広範に細菌感染を起こしていることが多いため、その場合は、飲み薬や薬用シャンプーを使用した薬浴などを行い治療します。

一般的には2〜3週間の治療で改善しますが、他の皮膚炎を併発している場合は、そちらの治療も行わないと、膿皮症も再発を繰り返すことが多く、なかなか治らないというようなことになります。

しかし、通常は膿皮症を正しい抗生剤で治療し、その他の皮膚炎が適切に管理されていれば、一度の治療で終わることがほとんどです。

膿皮症の予防方法

膿皮症は、皮膚のコンディションの悪化によって発生することがほとんどです。ですので、日頃からのスキンケアが重要で、適切なシャンプーを選び、適切な方法で洗いましょう。

皮膚のコンディションチェックには、動物病院だけでなくトリミングサロンを利用することも良いと思います。

さらには、日頃からのブラッシングも重要です。 皮膚を作るのに大切なのが、食事です。あなたの愛犬にあった食事を選ぶことも、膿皮症の予防につながります。

さらには、アレルギー性皮膚炎などの皮膚病を持っている犬は、管理をしっかりと行うことで、膿皮症の併発を予防することができます。

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マラセチア性皮膚炎について

 

マラセチア性皮膚炎とは

犬のマラセチア性皮膚炎は、マラセチア感染によって引き起こされる皮膚炎です。

マラセチア性皮膚炎は、強いかゆみと湿疹、脱毛やフケなどが認められます。通常は1ヶ所だけというよりは体のあちこちに病変が作られます。

また、マラセチア性皮膚炎は多くの場合、細菌感染も伴っていることがほとんどで、さらにはアレルギー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎などの皮膚炎を併発していることも多い皮膚病です。

マラセチア性皮膚炎の原因

マラセチア性皮膚炎はマラセチアという真菌(カビ)の一種によって引き起こされる皮膚炎です。

マラセチアは通常、皮膚の常在菌と同じように、正常な皮膚にもわずかに生息しています。

それが何らかの原因によって皮膚のバリア機能が破綻し、マラセチアが過剰に増殖し、それが炎症を引き起こすことで皮膚炎を発症します。

バリア機能が壊れてしまう原因には、刺激性の強いシャンプーなどによる接触性皮膚炎だったり、あるいはアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など体の免疫的な異常によって発症する皮膚炎だったりします。

マラセチア性皮膚炎の治療方法

マラセチア性皮膚炎の治療方法は大きく分けて2種類あります。

まず、マラセチア自体を抑える治療方法です。それは抗真菌剤というカビの増殖を抑えるお薬を使う治療です。

抗真菌剤には飲み薬と塗り薬、さらには薬用シャンプーに配合したものがあり、状況によって使い分けます。ただし、抗真菌剤の中には、副作用が強いものもありますので、治療にあたっては注意が必要です。

もう一方の治療は、皮膚のバリア機能を正常化させる治療です。個人的には、アレルギー性皮膚炎など、元になる皮膚炎がある場合は、そちらの治療を行うことでマラセチア性皮膚炎も改善することが多いと感じています。

マラセチア性皮膚炎の予防方法

マラセチアは皮膚にもともと存在する真菌ですので、皮膚炎になるケースのほとんどは、何らかの原因で皮膚のバリア機能が破綻していることが要因です。

ですので、日頃から正しいスキンケアを行うことで、マラセチア性皮膚炎を予防することができると考えます。

正しいスキンケアとは、日頃のブラッシングや皮膚のコンディションチェック、正しいシャンプーの選択と間隔、良質な食事など、生活全般に及びますので、全て実践するのはなかなか大変です。

ぜひ動物病院やペットサロンなど、プロのアドバイスを受けながら実施していくことをお勧めします。

 

肺水腫について

 

肺水腫とは

肺水腫とは何らかの原因で、本来空気がたまるべき肺の中に水が溜まってしまい、それによって呼吸困難が起こる病気です。

肺水腫になると、咳(軽度だと乾いた咳ですが、重度になると湿った咳になります)、呼吸数アップ(パンティング)、チアノーゼ(舌が青紫色に変色する)などの症状が見られ、重度になると失神を起こしたり、場合によっては呼吸困難により命を落とすこともあります。

肺水腫の原因

肺水腫は熱中症や呼吸器疾患、心臓病などで発症します。

特に僧帽弁閉鎖不全症という心臓の弁膜症は小型犬に多く見られ、本来心臓のポンプ機能によって全身へ押し出される血液が一部肺の方へ逆流することで肺水腫を発症します。

その僧帽弁閉鎖不全症を持っている犬や短頭種などでは、ちょっとした暑さや湿気で容易に熱中症に陥り、肺水腫を発症するため注意が必要です。

肺水腫の治療方法

肺水腫は緊急的な治療が必要で、まずは温度管理と酸素化を行います。特に熱中症の場合は体温管理が重要ですし、肺水腫によって肺に空気が入り込むスペースが減ってしまうため、少しでも酸素を取り入れるため、酸素マスクや酸素ケージなどで十分な酸素化を行うことが重要です。

もしも失神したりして意識がないような時は、人工呼吸器につないで呼吸管理を行うこともあります。さらには、利尿剤や降圧剤などを投与し、肺から水を取り除く治療を行います。

肺水腫の治療は緊急を要するため、数時間の間に治療を進めていきます。ただし、緊急状態を脱しても、体全体のバランスが整うには数日から数週間かかるため、トータルの治療は長期に及ぶこともあります。

また、心臓病や呼吸器疾患が悪化したため引き起こされた肺水腫では、それらの治療も同時に行う必要があります。

肺水腫の予防方法

梅雨時期の肺水腫の予防は温度管理と湿度管理に尽きます。特に短頭種や心臓病を患っている犬は、温度だけでなく湿度による肺水腫のリスクも高いため注意が必要です。

少しでも「暑いな」「ジメジメするな」と感じたら、早めにエアコンを入れるようにしましょう。

 

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犬猫のノミの原因は何?感染経路を理解してノミ徹底対策!

こんにちは、オクスリラボです!

いよいよ6月に入りそろそろ梅雨の時期。この時期になると、特に気を付けなくてはならないのが…

そう、ノミ対策

この時期は高温多湿になってきてノミが急激に増えてきます。

定期的にノミダニ駆除薬をちゃんと使っていますか?ノミはいろんなところであなたのペットを狙っています。

今回はノミがあなたのペットに忍び寄る、その経路についてしっかり理解しましょう。


はじめに

ノミは、外にほとんど出ないペットにも寄生してしまいます。例えば、蚊が開いたドアや窓の隙間からして室内に入ってくるように。ノミも独自のあらゆる方法で、室内に侵入してきます。

「うちの子は室内で飼っているから」といって、安心してはいけません。室内で飼ているペットにも危険が迫っているのです。

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動物から

多くの野生動物はノミを寄生させています。残念ながら、野生動物をあなたの庭に全く立ち寄らせないということは、たとえ背の高いフェンスを設けたとしても不可能です。ノミやダニを寄生させたネズミやアライグマなど、野生の小動物はあなたの庭に侵入してきます。

特に野良猫はその代表格です。野生動物はあなたの庭を通り、ノミの卵を落としていき、あなたのワンちゃんや猫ちゃんが外に出た際に、ノミはターゲットを見つけ、あなたのペットにジャンプインします。

その他にもネズミなど、ノミを寄生させた小動物があなたのお家に侵入し、ノミをあなたのお家に連れ込みます。「今まで家でネズミは見たことない」という場合にも、そして彼らがノミの卵をそこらへんに落としていき、その卵からノミが孵化し、彼らが住むお家を探すのです。おそらくあなたのワンちゃんや猫ちゃんがターゲットになってしまうでしょう…。

コーンやナッツ、種などのものを外に放置しないように言われているのは、そういった野生動物をあなたのペットの敷地に寄せ付けないためです。水の入ったボールでさえ措置に放置していると、それらの野生動物が集まってきてしまいます。

 

人間から

ノミは人間、飼い主の皆さん自身が運んでしまうことだってあります。あなたの家にやってくる誰もが、ノミの運び屋となりえてしまいます。気をつけておかなければ、外から持ってきたノミを自分の家、自分のペットのもとへ連れてきてしまうのです。

ノミは暖かいところを好みます。なので、もしあなたがノミの生息している場所を通った際には、ノミはあなたの服や靴にとびかかり、さらに住み心地のいい場所を見つけるまで潜伏します。

多くのノミは動物に寄生しますが、次の住み心地の良い場所がみつからずお腹を空かしてしまった際には、人間に噛みついてしまうこともありまます。

ノミはあなたの服に長いことつかまってあなたがお家に帰りついた際に、飛び降り、次にはあなたのペットにとびかかるのです。

 

家外から

数ブロック先までの短い散歩でも、近くの公園でも、動物病院やグルーマーに出向いた時でも、ペットが外に出たときはいつでも、ノミとダニがあなたのペットを狙っています。

特に緑の多い場所や湖へ行った際は、特に要注意です。ノミ・ダニは隠れ潜むのが得意で、あなたのペットの被毛の奥深くにある皮膚を狙っています。特に首周辺や、お腹、そしてわきの下はよく注意してチェックしてください。

 

ノミによる影響

ノミはかゆみをもたらす他に、ノミの成虫には、ワンちゃんや猫ちゃんのお腹にトラブルを起こすサナダムシが潜んでおり、子犬や子猫の場合、ひどいときには命に関わる症状を招くこともあります。

また、ノミアレルギーにかかってしまうワンちゃん猫ちゃんもいます。深刻なノミアレルギーの場合には、1~2匹のノミでさえ、ひどいかゆみや皮膚のトラブルを起こします。

 

ノミの対策

ノミ・ダニは非常に巧妙にあなたのペットを狙ってきます。特にノミ・ダニのピークシーズン(温暖の季節)には油断のない警戒をすることが必要です。

ノミは一度お家の中に入ってしまうと、非常に駆除することは困難です。ペットをノミから守る最善の策(ノミがすでに室内に侵入してしまった場合)は、定期的にノミ駆除剤を投与することです。もし1~2匹でもペットに引っ付いているのを見つけた際には、その数を増やさぬよう細心の注意を払ってください。

ノミダニ駆除剤には、錠剤タイプ、スポットオンタイプなど様々なタイプがあり、ダニや寄生虫、また犬糸状虫(フィラリア症)を同時に防ぐお薬もあります。

>>ペットくすりのノミダニ駆除比較表を見る

ペットが幼い、または高齢の場合、もしくは何らかの理由で体の弱いペットの場合には、獣医さんを訪れ、適切な診断を受けるようにして下さい。

 

最後に

これからやってくる夏を、あなたのペットが元気で健康に快適に過ごせるように、ノミが寄生しているサインが現われる前に、ノミ・ダニ対策、ケアを行いましょう。

 

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参考サイト:http://princetonvet.net/can-my-indoor-pet-get-fleas/,http://www.petmd.com/dog/parasites/evr_dg_how_did_my_dog_get_fleas_and-or_ticks
参照画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/283934?title=かゆい~&selected_size=m,http://www.flickr.com/photos/34773015@N07/15374552526

家でできる猫の健康チェック!病気のサインを見逃さない為のポイントとは?

こんにちは、オクスリラボです!

今回は、もしあなたの猫ちゃんが病気をしていた際に、早期発見につなげるための、ご自宅でできる健康チェックポイントをご紹介します!

言葉でコミニュケーションがとれないネコちゃんにとって、飼い主のみなさんが、「いつもと様子が何か違う」と猫ちゃんの異常に気づいてあげることが重要です。

今回は、そのサインに気づくためのポイントを学びましょう!

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はじめに

猫は犬と異なり、お家の中でも単独行動を好むタイプも多いため、日常の中で、犬ほどスキンシップが取れないこともあり、健康上の異常をついつい見逃してしまいがちになります。そのため、気付いた時には重症になっていたり、大掛かりな治療が必要になるケースもあります。

しかし、猫も普段の生活の中でのチェックポイントをしっかりと見てあげることで、症状に早く気づき、早期治療を行うことも可能です。

そこで今回は、ご自宅であなた自身がチェックできる猫の健康チェックポイントをお伝えします!

今回のポイントは、犬でもご紹介させていただいた、Team Hopeというペットの健康維持のために活動している動物病院の組織が作った「ウェルネスチェックシート」に基づいてお伝えします。ただし、同じチェック項目でも、犬と猫では細かなポイントが異なりますので、猫は猫で、本記事をご参考にしていただければ幸いです。

猫の健康チェックをする上での注意点

犬もそうですが、猫もやはり一般的には病気の症状を隠す傾向にあります。

その場その場での状態チェックでは、異常ないように見えても、過去の状況と比較すると明らかにおかしい、と気づくことができます。ですので、健康チェックは最低でも月に1〜2回行い、その子それぞれの状態を把握することが重要です。

また、一つの症状だけでは、病気の診断をすることができません。健康チェックでは病気を知るというよりも、動物病院にかかるタイミングを早く見つける、という感覚で取り組んでください。

あと、外に出る猫の場合、例えば軽傷の交通事故などでは、事故に遭ってから数日後に症状が出ることもあります。

また、ウイルスの急性症状は、感染してから数日〜数週間後に見られることもありますので、外から帰ってきた段階で元気だったとしても、その後しばらくは細かな健康チェックを行うようにしてください。

猫の生活全般のチェックポイント

● 元気があるかどうか

もともと、猫は犬に比べて1日の睡眠時間が多いため、「いつ見ても寝てる」という印象が多いかもしれません。しかし、起きている間の動きをしっかりとチェックすることで、異常に気づくことができます。

「高いところに昇らなくなった」
「うちの中のパトロールをしなくなった」
「遊びに誘ってものらなくなった」
「食事の時間になっても騒がなくなった」

などなど、日頃の状態と比べることで、「なんとなく元気がない」という異常にも気づくことができます。

● 疲れやすくなった

「遊ぶ時間が短くなった」
「遊んでいてもすぐ息が切れてしまう」
「睡眠から目覚めても、少し歩き回って排泄したらすぐ寝てしまう」

などの症状が見られた時は、発熱や痛みといった全身的な異常、あるいは肝臓や腎臓などの厄介な異常が関係することもあるので、気付いたら早く動物病院にかかるようにしてください。

● 歩き方がおかしい

足を挙げる、あるいは引きずるといった症状が見られた時は、明らかに異常がありますから、気付いた段階で受診をお勧めします。

また、大学の研究では、高齢猫のほとんどが「関節症」という異常を持っていると言われていますので、特に高齢猫では動きに注意が必要です。

ただし猫の場合は、足に異常があった場合、歩き方の異常よりも「寝ている時間が長くなった」という、「動かない時間が増える」というような変化が見られることも多いため、そのような変化に気付いた時は、体の痛みなども考慮する必要があります。

● 睡眠に変化がある

猫はもともと眠っている時間が多い動物です。しかし、全身的な異常(発熱や痛みなど)がある場合は、ほぼ一日中眠っているような状態に陥ることもあります。

また、猫の場合、眠る時はどこかに隠れるようにして眠ることもあります。そのため、「姿が見えない」=「辛そうな姿がない」ということで、異常に気づきにくくなります。

眠っている時間ではなく、逆に起きている時間をしっかりとチェックすることも有効です。

● 体重、体型に変化がある

まずは猫の標準体型を知りましょう。
猫は長毛種でも短毛種でも被毛が密ですので、外見からは細かな肉付きをチェックすることが難しい面があります。

ですので、背骨及びその周辺の筋肉、ろっ骨あたりをしっかりと触りながらチェックして、適度に筋肉があるかを見てください。明らかにろっ骨が触れてしまう場合は痩せすぎの可能性があります。また肋骨がほとんどさわれない場合は肥満が疑われます。

また、猫は肥満になると、下腹部、いわゆる下っ腹が出やすくなります。逆に背骨やろっ骨周りの筋肉がなくなり、痩せてきていても、下腹部が出たままということもありますので、必ず体全体を触るようにしてください。

また、標準体型からのズレだけでなく、日々の変化にも注目してください。数週間前、あるいは数ヶ月前に比べて体重が増えた、あるいは減った、また体型が変化した場合は、何かしらの体調の変化が生じています。

多くの場合は「肥満」が注目されますが、猫では「痩せていく」場合も注意が必要です。もちろん明らかな病気の場合は、体重が落ちるだけでなく、食欲や元気がなくなるなど、他の重い症状を併発するので、異常に気づくことができますが、高齢猫では「甲状腺機能亢進症」という病気に注意する必要があります。

この病気では、甲状腺ホルモンの異常で代謝が亢進し、どんどんとエネルギーが消費されて痩せていくのですが、その他の症状がわかりづらいため、気づくのが遅れることがあります。ですので、少しぽっちゃりしていた猫が、痩せてきた場合、異常を見逃すことがありますので、注意してください。

また、多頭飼育の場合は、食事管理が難しいせいか、太り気味の猫が多い気がします。
その場合は体の異常というよりは、環境の問題ですので、治療というよりは、生活環境の見直しが重要になります。

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猫の食事に関するチェックポイント

● 食事に変化があるか

食べる量、食べるスピード、食べ方をチェックしてください。

食欲が落ちている場合は要注意です。もちろん様々な病気で食欲は落ちますから、それだけで病気の診断はできません。しかし、それ以上に、猫にとっては「絶食」状態が危険を及ぼすことがあるのです。

人間や犬は極端に言えば、水分をしっかり摂ることができていれば、数日間、食事を摂れなくてもそこまで危険な状態に陥ることはありません。しかし、猫の場合は丸一日以上、絶食状態が続くと「肝リピドーシス」という状態が引き起こされ、それを見逃してしまうと命に関わることもあります。ですので、食欲に変化がある場合は、なるべく早く動物病院にかかるようにしましょう。

また、猫は口内炎や歯周病、歯肉炎の発生が多く、それらは口に痛みをもたらします。その結果、食欲はあるのにうまく食べることができず、食べるスピードが落ちたり、口を気にしながら食べたりするようになります。
また、重度の場合は、ごはんが入った器の前で食べずにじっと見ているだけ、というような姿になることもあります。

猫の口内炎は、お口の病気が原因となるばかりでなく、腎臓に問題があったり、猫エイズやカリシウイルスなどのウイルス疾患などによっても発症しますので、このような場合も動物病院を受診することをお勧めします。

● 飲水量に変化があるか

お水を飲む量も必ずチェックしてください。
まずは普段よりもたくさんのお水を飲む場合、糖尿病や腎臓病、ホルモンの病気など、様々な病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

一方、冬場では、健康な猫でも飲水量が減ることもあります。しかし、飲水量が減ると、尿が濃くなり、尿路結石症(膀胱や尿道にできる結石を伴う病気)では尿道に砂状の石が詰まってしまうリスクが高まります。

もともと、猫はあまり積極的にお水を飲まない上に、多くの猫が食べているドライフードには、ほとんど水分が含まれていないため、なるべくこまめに水分補給できるようにしましょう。

猫の排泄に関するチェックポイント

● 排便に変化があるか

排便は、回数、量、色、臭い、固さをチェックしてください。
便の状態は、キャットフードの種類によっても大きく変わるため、一概に基準的なものは決められないので、日常の状態を確認しておくことが大切です。

また、排便に関して猫で多く見られるのが、高齢猫の便秘です。踏ん張るけどなかなか便が出ないときは、下痢をしてしぶっているか、便秘で便が腸の中で固まってしまっているかです。ですので、便自体の状態をチェックするだけでなく、排便の状況も確認し、いつもより排便に時間がかかっている場合は、獣医師に相談するようにしてください。

● 排尿に変化はあるか

排尿も、回数、量、色(血尿がないか、色が濃くなっていないか、逆に薄すぎないか)、匂いをチェックしてください。

尿量が多くなると、飲水量が増えるのとともに、様々な病気の異常兆候となります。
また逆に尿が出なくなると、尿路結石症や急性腎不全などの可能性があり、一刻を争う状態になりますのでくれぐれも排尿状態はこまめにチェックしてあげてください。

ただし、猫砂に紛れると尿の状態を確認しづらくなりますので注意してください。
また、これら排尿状態の異常では、いつもと違う場所で排尿するようになるなどの行動が見られることもあります。

体の各部位に関するチェックポイント

● 毛に変化はあるか

全体の毛の抜け具合、あるいは部分的な脱毛がないかどうか、あるいは毛玉の状況や毛艶をチェックしてください。

部分的な脱毛などは怪我や皮膚病の可能性がありますし、全体的に毛が抜ける場合は毛艶が落ちる場合は、ホルモンの異常や栄養の異常、その他慢性腎疾患や糖尿病など全身性疾患の一症状の可能性もありますので注意が必要です。

また、毛玉が多くできる場合、猫では口に痛みがあり、自分で毛づくろいをできなくなっている可能性があります。ですので、毛玉が増える場合は口の中や食べ方などもチェックするようにしてください。

● 皮膚に変化はあるか

猫にも湿疹やかさぶたなどの皮膚症状が見られることがあります。特にかゆみがある場合は、その皮膚を舐めるようになりますので、皮膚の状態だけでなく、猫の舐める行動もチェックしてあげてください。特に猫は「好酸球性皮膚炎」と呼ばれる原因不明の痒みを伴う皮膚炎が見られることもあり、特にお腹の毛が抜け、湿疹ができることが多いです。

また「猫ニキビ」と呼ばれる顎の皮膚に黒い分泌物ができて、稀に湿疹を起こすことがあります。この猫ニキビはオスや避妊手術を受けたメスに多く見られます。

● 目に変化はあるか

目やに、まぶたの腫れ、白目の充血、左右の瞳孔の大きさの比較など、目も自宅でチェックできるところは見るようにしましょう。

特に外に出る猫など、他の猫と接触する可能性のある猫は、ウイルス性の結膜炎やクラミジアによる結膜炎が見られることが多いです。

● くしゃみ、咳、鼻水や鼻血が出ているか

これら呼吸器や循環器に関わる症状が見られた場合は注意が必要です。

外に出る猫はウイルス性の鼻気管炎によるこれらの症状が見られることがあります。感染症は放置するとどんどん悪化し、食欲が落ちてしまったり、熱が出てしまうことも多いため、早めの対処が重要です。

また、感染症による鼻炎は慢性化することが多く、人間の蓄膿症のように、鼻づまりのような症状が残ってしまうこともあります。また、それ以外でも腫瘍(がん)やカビの感染による鼻血やくしゃみが生じている可能性もあります。さらには、心筋症など心臓に異常がある場合は、呼吸が早くなったり、苦しそうな仕草をすることがあります。

いずれの症状も、重篤な状態に陥る可能性が高いため、気づいた時点で、動物病院を受診するようにしましょう。

● 口臭がするか、よだれが出ているか

猫の口臭は、多くが口内炎や歯周病によるものです。口内炎には歯周病が関係するものや、ウイルス感染症、原因不明のものも多く、治療が厄介なものも多いです。

また、高齢の猫で多い「慢性腎疾患」では、進行すると尿毒症という独特の口臭を放つ状態に陥ることがあります。

● 歯石の付着

歯石は口腔内細菌の塊で、歯周病細菌がある場合は、歯周病を発症、進行させてしまいます。

成猫のほとんどが歯周病を持っていると言われていますが、猫は口内炎などお口のトラブルが多い動物ですので、少しでも元気に過ごせるように、歯石が見られた場合には、麻酔下でのスケーリングなど、積極的な処置をお勧めします。

● 耳の変化はあるか

もともと猫の耳は湿っていることが多いため、少し耳垢が出るのは問題ありません。逆にそれをきれいにしすぎると、外耳炎の原因になったりすることがありますので、注意しましょう。

普段よりも耳垢の量が多い、痒がっているなどの状態が見られるような場合は、細菌やカビの感染による外耳炎の可能性があります。また、耳の腫瘍が隠れていることもあります。外に出る猫では、耳ヒゼンダニというダニの感染による外耳炎の可能性もあります。

また、耳介、いわゆる耳たぶが腫れる「耳血腫」と呼ばれる状態が見られることもあります。これは外耳炎に続発したり、原因不明で発生したりします。いずれも治療が必要ですので、動物病院を受診するようにしてください。

まとめ

このように、猫は自宅での様子や体の状態をチェックすることで、様々な異常に対して、早く気付くことができます。

病気の早期発見早期治療は、猫にとっても元気で長く暮らすための秘訣ですので、ぜひ日常での健康チェック、取り入れてみてください。

 

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参照画像:http://www.photo-ac.com/main/detail/791707?title=にゃんこ_A21、http://www.photo-ac.com/main/detail/268968?title=にゃんこ_A03

家でできる犬の健康チェック!病気のサインを見逃さない為のポイントとは?

こんにちは、オクスリラボです!

今回は、もしあなたのワンちゃんが病気をしていた際に、早期発見につながるための、ご自宅でできる健康チェックポイントをご紹介します!

言葉でコミニュケーションがとれないワンちゃんにとって、飼い主のみなさんが、「いつもと様子が何か違う」と、ワンちゃんの異常に気づいてあげることが重要です。

今回は、そのサインに気づくためのポイントを学びましょう。

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はじめに

犬をはじめ動物の多くは、何か病気をしてもちょっとした症状なら気づかれまいと、症状を隠します。これは、野生の世界では敵に狙われないようにするために、非常に大切なことなのですが、私たち人間との生活においては、その性質があるために、たびたび病気の発見を遅らせてしまいます。

もちろん、発見が遅れ、進行してしまった病気は、犬自身が辛いことはもちろん、治療の成功率も下がりますし、中には手遅れになってしまうこともあります。ですので、少しでも早く、人間の手で、犬の異常を発見してあげることは、犬との生活においてとても大切なことなのです。

そこで今回は、自宅で、あなた自身でチェックできる、犬の健康チェックポイントをご紹介します。

健康チェックポイントは、自宅で見る点においても、非常にたくさんのポイントがあります。その中でも、ご自宅での健康チェックポイントをまとめた「ウェルネスチェックシート」がとてもよくできています。

このウェルネスチェックシートは、「Team Hope」という動物の健康維持に注力している動物病院の組織が作成したシートです。今回はこのウェルネスチェックシートに基づいて、各ポイントを解説していきます。もしウェルネスチェックシートをご自身で取り入れたい方は、お気軽に近くのTeam Hope賛同動物病院にお尋ねください。

犬の健康チェックをする上での注意点

前述のように、犬は本能的に症状を隠します。ですので、ちょっとした症状でも重い病気が隠れていることがあります。

例えば、前足を挙げるという症状が、ちょっとした捻挫や皮膚炎による痛みが原因のこともあれば、肺がんという恐ろしい病気の症状であることもあります。ですので、軽い症状でもご自身の判断で様子を見たりせず、異常を見つけた段階で、動物病院にご相談されることをお勧めします。

また、実際にご相談いただく中で、

「うちの犬は○○という状態なのですが、どんな病気が考えられますか?」

というご相談をいただくことがあるのですが、残念ながら、一つのチェックポイントで、特定の病気を考えることは非常に困難です。

例えば、お水をたくさん飲むようになり、その分おしっこの量が多くなる、いわゆる「多飲多尿」という症状では、腎機能低下、糖尿病、クッシング症候群(コルチゾールというホルモンの病気)、子宮蓄膿症、尿崩症などなど、というように、無数の病気が考えられます。それをお電話やメール相談だけで全てのことをお伝えするのは非常に困難です。

また、今のネットには、特定の症状で見られる病気を紹介しているサイトも多数あり、実際には私の病院の患者さんでもそれを参考に、ご自身でなんとかしようとして、余計にこじれてしまうケースが後を絶ちません。とにかく、ご自宅で健康チェックの中で異常が見られた場合には、まずは速やかにかかりつけの動物病院に相談するようにしましょう。

犬の生活全般のチェックポイント

● 元気があるかどうか

人間と同じように、犬も個性がありますので、「元気」の度合いを評価するといっても、一定の基準があるわけではありません。
これは、日頃からあなたが犬と接する中で、感じ取るものです。

中でも、

「”ごはんだよ”と呼んでも反応が鈍い」
「自宅に人が来ると喜んで寄って来るのに、反応しなくなった」
「お散歩の足取りが鈍い」

というような点は、動物病院に来院される方からよく聞くお話ですので、ご参考いただければと思います。

● 疲れやすくなった

普段の遊び方、遊び時間、散歩の速さや時間などをチェックしてください。

それが、

「なんとなく遊ばなくなった」
「最初は勢いよく遊ぶけど、すぐ疲れてしまう」
「お散歩をいきたがらなくなった」
「お散歩するけど、すぐ帰りたがる」

など、そういったことが見られた場合は注意が必要です。

● 歩き方がおかしい

お家の中での動きや、お散歩での歩き方、普段は軽やかに動くのですが、異常があると、足を挙げたり、あるいは引きづったりするようになります。
また、「なんとなくおかしい」と感じることもあると思います。

その時は、足の動きに合わせて、頭がいつもより上下に動きすぎていないか、お尻をやたら振って歩いていないか、がに股もしくは内股になっていないか、あるいはそれぞれの足の着地時間に大きな差がないか、という点もチェックしてみてください。

さらには、歩き方だけでなく、立ってる時の姿もチェックし、背中が丸まっていないか、前足や後ろ足で左右均等に負重できているか、といったところもチェックしていただきたいポイントです。

● 睡眠に変化がある

普段の犬の睡眠時間、あるいは寝ている時間帯をチェックしてください。
これも飼い主の方の生活スタイルによって、犬の睡眠はそれぞれ異なりますので、特定の基準があるわけでなく、あなたの犬独自の状況を確認してあげることが重要です。

多くの病気では、いつもより寝ている時間が長くなります。また、胸が苦しかったり、体に強い痛みがある場合は、逆に眠れず、ずっと座ったままでいたりします(大抵は「ハァハァ」という呼吸の異常もみられます)。

また、高齢犬では、痴呆症状の一つとして、昼夜の睡眠が逆転することがあります。

● 体重、体型に変化がある

普段から、最低でも1ヶ月に1回以上は体重と体型をチェックしましょう。

小型犬の体重はできれば小数点第一位まで計れると望ましいです。特にチワワさんなど超小型犬は、0.1kgの変化が大きな変化であることもありますので、注意が必要です。

また、体型チェックとしては、あばら骨の触れ具合(太っていると肉が厚くてあばらが触れません。
逆に痩せすぎていると、皮膚とろっ骨しか触れません)、背骨周りの筋肉の付き具合、腰のくびれ具合の三点をチェックしてください。

体重、体型はもちろん、増えすぎても減りすぎても問題です。また食事内容が大きく影響しますので、普段食べているものに変化がないか(ドッグフードの種類を変えた、新しいおやつを与えているなど)もチェックしましょう。

 

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犬の食事に関するチェックポイント

● 食事に変化があるか

食べる量、食いつきをチェックしましょう。

普段、多くの飼い主の方はドッグフードのパッケージに書かれてある量を参考に与えていると思いますが、毎回きちんと計量していない方は、時々、ご自身で抜き打ち的に計量して見てください。普段の目分量が案外大きくずれていたりすることも多いです。特に肥満傾向の犬の場合、基準よりも多く与えてしまっていることが多いため、注意するようにしてください。

また、犬自身が食べなくなる、あるいは普段食べる量よりも減っている場合は、たとえ犬自身が元気であっても、面倒な病気が隠れている可能性もあるので、注意が必要です。

● 飲水量に変化があるか

1日あたりのお水を飲む量もチェックしましょう。

通常は多くても犬の体重1kgあたり100cc以上飲む場合は、異常だと言われていますが、やはり個体差が大きいです。また、季節によっても飲む量は変化します。ただし、2倍も3倍も変化するわけではありません。ですので、いつもより2倍以上、お水を飲む時は注意しましょう。

また、ペットボトルの吊り下げ型の給水器では、うまくお水を飲めない犬もいますので、普段の生活は、なるべく器タイプで飲ませるようにしてあげてください。

犬の排泄に関するチェックポイント

● 排便に変化があるか

ほとんどの犬はドッグフードを食べています。ドッグフードは品質がほぼ一定ですので、便もほぼ同じようなものになります。もちろん、多少の変化はありますが、日々の便の、量、色、臭い、硬さ、排便回数をチェックして、明らかに変化がある場合は、注意が必要です。

軟便や下痢、あるいは明らかな臭いの異常などは気付きやすいですが、中には「排便回数が増えた」「便の量が増えた」ということが、病気の徴候になることもありますので、必ず各ポイントをチェックするようにしてください。

● 排尿に変化はあるか

尿も実は食事中の水分量に大きく影響を受けますので、ドッグフードという一定の品質の食事を摂っている犬は、だいたい尿の状況も日々同じような形になります。しかもお散歩や食事の時間なども一定で、生活リズムが決まっている場合は、ほぼ同じになります。その中で、尿量、色(濃さや血尿の有無)、臭い、排尿回数などをチェックしてください。

ただし、冬場など乾燥が強い時期は多少、お水を飲む量が増えたします(寒くて減る場合もあります)。あるいはお水をがぶ飲みした後の尿は非常に薄かったりしますが、それらは正常な範囲になることがあります。ただし、薄い尿をたくさんするという状態は、非常にやっかいな病気の兆候でもありますので、続く場合は、必ず動物病院を受診するようにしてください。

体の各部位に関するチェックポイント

● 毛に変化はあるか

毛艶の良さ、あるいは毛の抜け方をチェックしてください。被毛の状態は、皮膚や毛の病気以外にも、ホルモンなど全身性の病気の可能性があります。また、食事の質にも影響されます。

しかし、これらは異常があってもすぐに毛に症状が現れるわけではなく、月単位でゆっくり変化してくため、やや気付きづらいところもあります。

● 皮膚に変化はあるか

お腹など、目に見える皮膚だけでなく、背中や顔まわりなど、被毛がたくさんある部位もきちんと毛をかき分けて、全身の皮膚の状態をチェックしてください。

赤いポツポツとした湿疹や、かさぶたがないかどうか、あるいはできものができてないか、また、皮膚の赤み、フケ、かゆみなどが出てないかどうかもポイントです。さらには、体のどの部位の皮膚に変化が起きているのか、部位によっても病気が特徴付けられることもあります。

皮膚も皮膚自体の病気で変化はしますが、やはり全身の病気でも変化します。特に左右対称に皮膚病変が見られる場合には、全身性の病気の可能性があります。

● 目に変化はあるか

目が白く濁っている、目の表面に点がある、白目が充血している、あるいは目やにが出ている場合には、その色や量、左右差などをチェックしてください。

目が白く見える場合、白内障などの可能性がありますが、白内障は進行すると様々な合併症を持つようになります。また、手術による治療を考えている場合は、なるべく早い段階での手術が有効ですので、気になる方は、定期的に動物病院で目の健診を受けられることをお勧めします。

● くしゃみ、咳、鼻水や鼻血が出ているか

これらの症状が続く場合は、呼吸器や循環器(心臓)に問題がある可能性が高いです。

これらの病気は手遅れになると命に関わることも多いため、症状に気付いた時は早く動物病院を受診するようにしましょう。

● 口臭がするか、よだれが出ているか

口臭やよだれは明らかな異常です。よく「犬は歳をとると口の臭いが強くなるよね」と年齢によるものと考えがちですが、そのほとんどは歯周病という病気によるものです。

歯周病は放置すると、歯が抜けてしまうことはもちろん、顔が腫れたり、目の下が破れ、膿が出てきたりすることもあります。口臭やよだれが見られた時は、必ず治療を進めるようにしてください。

● 歯石の付着

歯石も成犬のほとんどで見られるものですが、実は歯石を持つ多くの犬は歯周病も患ってしまっています。

歯石はミネラル成分が石灰化したものですが、その中には細菌が多く巣食っています。歯周病の細菌は歯肉の血管から体内に侵入し、心臓や肝臓など全身に悪影響を及ぼす可能性がありますので、歯石もなるべく早期に治療することをお勧めします。

● 耳の変化はあるか

耳垢の量や色、臭い、また耳の赤みや耳介(耳たぶ)の毛の状態、あるいは耳介の先端の皮膚がカサカサしていないかなどをチェックしてください。耳は耳自体の異常だけでなく、アレルギーなど全身の病気によって症状が見られることがあります。

また、痒みがある時には、耳ダニなど他の犬にうつる病気の可能性もありますので、注意が必要です。

まとめ

犬の異常を早く見つけるためには、ご自宅での健康チェックが欠かせません。もちろん早期発見できれば、辛い症状の前に治療ができますし、また治療費もそこまでかからないことも多いです。

ぜひ、ご自宅での健康チェックを取り入れていただき、あなたと犬との元気な生活を維持してください。

 

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猫風邪とは?猫同士でうつるのを防ぐには?人間にもうつるの!?

こんにちは、オクスリラボです!
今回は、猫風邪とは何かやその原因・症状から始まり、猫風邪の多い季節はあるのか!?予防方法や治療方法について等、色々な猫風邪に関する疑問質問にお答えします!
周りにくしゃみや鼻水の症状がある猫ちゃんはいませんか?猫風邪かもしれません!

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猫風邪とは!?

 まず、そもそも猫風邪とはどんな病気なのでしょうか?

 一般的に言われる「猫風邪」とは、猫鼻気管炎ウイルスや猫カリシウイルスの感染によって引き起こされる鼻炎や結膜炎、あるいは喉頭や気管など呼吸器官の炎症を引き起こす病気のことを指します。また、主に結膜炎を引き起こす猫クラミジア感染症も猫風邪と似た症状を示すことから、猫風邪の一つとするケースもあります。

 猫風邪は、猫の病気の中でもよく見られる病気です。しかし、治療が遅れると、感染が他の猫にも蔓延したり、症状が重症化して命に関わる状態になったり後遺症が残ることもある非常に厄介な病気です。

猫風邪は人間にもうつる!?

  猫鼻気管炎ウイルスやカリシウイルス、猫クラミジアが人間にうつることはありません。

 しかし、猫同士の感染力はかなり強力で、特に多頭飼育の場合は、接触を断つ対策などを行っても、実際に集団で感染を制御することは非常に難しいことがほとんどです。

猫風邪の原因と症状

  猫鼻気管炎ウイルス感染症は、猫ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスによる感染症で、主に発熱や鼻炎(鼻水やくしゃみ)、あるいは目やにを伴った結膜炎が見られます。発熱があると、元気、食欲がなくなってしまい、さらに状態が悪化してしまいます。また、結膜炎は重症化すると目の角膜に潰瘍ができてしまい、場合によっては失明のリスクがありますので注意が必要です。さらにウイルス感染による症状が慢性化した場合には、副鼻腔炎と言って、慢性の鼻づまりや鼻水の症状が続くようになります。これら鼻炎の症状は、猫の嗅覚を失わせてしまうことがあり、食べ物の匂いがかげず、食欲がなくなってしまうこともあります。

 猫カリシウイルス感染症では、猫鼻気管炎ウイルスの症状に加えて、さらに口内炎や鼻の周りの皮膚の潰瘍(ただれ)なども見られます。特に口内炎が生じると、痛みから食べ物を食べることができなくなり、痩せてしまったり、栄養状態が悪化し、さらに症状が重篤になることがあります。このような場合、ごはんに見向きもしなくなるというよりは、ごはんの前で食べたそうにするけど、食べられないような仕草を見せます。一般的には、猫鼻気管炎ウイルス感染症と猫カリシウイルス感染症の症状は似通っているのですが、猫カリシウイルス感染症の方がより重症になることが多いです。

 また、猫クラミジア感染症では、重度の結膜炎(目のまぶたのが腫れ上がる症状)が認められます。結膜炎や気管支炎なども認められますが、一般的には猫鼻気管炎ウイルス感染症やカリシウイルス感染症の症状よりは軽いことが多いです。

 さらにいずれの感染症も、重症化すると、元気消失、食欲不振などの全身状態の悪化も見られるようになります。中には、感染により免疫力が低下してしまうと、一つだけのウイルス感染ではなく、複数のウイルスや細菌が感染してしまうことがあり、その場合にはより重症化してしまいます。

人間の風邪のように、猫風邪が多い季節ってあるの??

  これらの感染症は持続感染、つまり臨床症状は改善してもウイルスを体内に持ち続けている状態となるため、季節に関係なく猫同士の接触によって感染します。そのため外に出る猫は季節を問わず感染しますし、特に多頭飼育環境では、衛生環境を徹底的に改善しなければ、ウイルスが蔓延してしまいます。

 つまり、人間の風邪と異なり、季節的な要因よりも、病原体を保持している外猫との接触や多頭飼育という環境的な要因がより重要になります。

猫風邪の感染経路は?

 ほとんどがウイルスを持っている猫と接触することで感染します。直接的な接触だけでなく、感染して発症している猫の目やにや鼻水が感染源になることがありますので、同じ容器でお水を飲んでいたり、あるいは感染している猫の食器を舐めてしまうなどの行為により感染してしまうこともあります。

 また、母子感染も見られ、母親がウイルスを持っている場合、子猫が4〜5週齢に達したあたりから、症状が見られるようになります。

猫風邪の治療方法

  ウイルスによる猫風邪の治療は、ウイルスに対する特効薬がないため、対症療法が中心となります。

 目やにや鼻汁の症状だけで、食欲が落ちていない間は、インターフェロン療法や二次感染予防(ウイルスで体が弱まると細菌感染も起こしやすくなり、より重症化する恐れがあります)のための抗生物質の内服、点眼を行います。また、食欲が落ちている場合は、輸液療法も実施します。これらは即効性があるものではなく、あくまでウイルスと戦う猫の体を支えるための治療ですので、状態が改善するまでに数日から数週間という時間がかかります。

 特に鼻汁などの鼻炎症状があると、嗅覚が低下してしまうのですが、猫は嗅覚が低下するとごはんの匂いがかげず、結果として、食欲が刺激されないため、全くごはんを食べなくなることがあります。厄介なことに、猫は24時間以上、ごはんを食べない絶食状態が続くと、肝リピドーシスという肝臓の病気を発症することもあるため、食欲がない場合は速やかに動物病院を受診するようにしてください。重度の食欲不振の場合は、食道チューブや胃チューブなどを用いてでも食事をとっていく必要があります。

 状態がそこまで悪化しておらず、自宅で様子をみる場合は、ウェットフードを温めて、匂いがしっかり出るようにしてあげることで食べられることもあります。

 猫カリシウイルス感染症での口内炎による食欲の低下も、全く食べない時は、上記のような食道チューブや胃チューブの設置が必要になることもあります。ただ、中にはドライフードのような硬い食事を、ウェットフードのような柔らかい食事に変更したりすることで食べることもあります。

 また、動物病院を受診する際は、ウイルス性の猫風邪は伝染力の強い感染症ですので、待合室で他の猫と接触させないようにしましょう。入院治療が必要な場合でも、隔離室での入院や消毒の徹底など、特殊な対応が必要となり、動物病院によっては猫風邪の入院治療ができないところもあります。かかりつけであっても、必ず受診前に電話などで事前に相談するようにしましょう。

 クラミジア感染症に対しては、テトラサイクリン系と呼ばれる抗生物質が有効で、他に感染している猫との接触を避けるなどの環境整備ができていれば、比較的速やかに治療することができます。

 また、いずれの感染症も治療期間中は、他に原因ウイルスやクラミジアを持っている猫との接触を避け、飼育環境の消毒を徹底します。

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厄介な猫風邪を予防する方法は??

 まずはこれらのウイルスやクラミジアを保有する猫と接触しないようにすることが重要です。

 外に出る猫は、完全室内飼育にします。また、多頭飼育の場合は、これら感染症を発症した猫を完全に隔離します。つまり部屋を完全に分けるようにします。中には、同じ空間で、間仕切りやケージなどを利用して隔離するケースがあるのですが、これらの感染症は、目やにや鼻水を介して感染することも多く、同じ空間ではそれらの感染を防ぐことは非常に困難です。必ず部屋を分ける、飲み水や食べ物の食器を分けるなど、空間的に完全隔離できるようにします。

 さらに、これらの食器など猫が触れるものは、使用後必ず消毒してください。また人間も感染している猫に接触する前後で、使い捨て手袋やエプロンを着用し、できる限り感染猫に直接触れないようにしましょう。

 また、これら猫風邪に対する予防接種も有効です。外に出る猫、多頭飼育の猫は必ず接種してあげてください。また、完全室内飼育の猫でも、アクシデントで外に出てしまったり、あるいは外の猫が家の近くに来て、接触してしまうリスクもありますし、動物病院を受診したり、ペットホテルなどを利用することもありますので、なるべく接種することをお勧めします。しかし、これらの予防接種は、感染を防ぐものではなく、感染後の症状の発症を最小限に止めるものです。

 また、猫の中には予防接種によって体調を崩してしまう猫もいますので、接種にあたっては必ず獣医師の診察を受け、ワクチンの種類などを相談した上で受けるようにしてください。

 さらには、猫自身の免疫力を高く保っておくことも重要です。特に多頭飼育の場合は、同居猫同士のストレスから、免疫力が低下している猫が多くいます。その場合はやはり病気をもらいやすくなりますので、それぞれのテリトリーを確保してあげたり、トイレやお水の場所を複数箇所(理想は飼育頭数プラス1)準備してあげるなど、できるだけストレスを軽減する環境を準備してあげてください。

一度かかってしまうと厄介な猫風邪。このブログの内容が予防やできるだけ早い病気の発見につながれば幸いです!

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特に冬に気を付けたい!犬猫の関節炎の予防と自宅でできるケア

 

 今日は、冬に多くなる犬・猫の関節炎について、自宅でできる予防とケアのお話しをしていきたいと思います!関節炎は進行性の病気で一旦なってしまうと完治が難しい病気なだけに、飼い主の皆さんは日ごろからのケアに力を入れていってほしいと思います!
 また、関節炎自体の病気の説明や症状等はこちらのページに詳しくまとめてありますので、こちらも合わせてどうぞ!!

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関節炎の予防はできるのか?

 関節炎の予防は、実際遺伝が関係する場合は非常に難しくなります。股関節異形成症など、遺伝による病気が目に見える形で表れる場合は、その犬を繁殖に使わないようにすることが一番の予防策となります。

 しかし、関節炎の管理と重なりますが、正しい「体重管理」「運動管理」「栄養管理」は関節炎の予防につながります。この中でも一番重要なのが体重管理となります。
それでは、一つ一つ説明していきましょう。

最も重要なのは「体重管理」

 人では体重が1kg増えると、膝の関節にはおよそ3倍の負担がかかると言われています。
これは犬や猫でも同じことが言え、実際に犬猫でも「肥満」は関節炎発症リスクを高めることがわかっています。そして、関節炎発症後の考え方として、関節炎は一度発症すると、完治はできないため、それ以上悪化させない「管理」が非常に重要になります。
 その中でも「体重」は最も重要な管理項目として位置づけられています。つまり、いくら運動管理や栄養管理を正しく行なっていても、体重管理ができていないと、関節炎はどんどんと悪化してしまうのです。 これは予防においても同じことが言えます。いくら運動や栄養にこだわっていても、肥満になってしまうと、関節の負担はどんどん増えるだけですから、いずれ関節炎が発症してしまう可能性は高くなってしまいます。 つまり、関節炎予防の最優先事項は「体重管理」なのです。

バランスが大切な「運動管理」

 関節炎の予防としての運動管理においては、激しい運動だと関節に過度に負担がかかってしまい、関節炎のリスクを高めてしまいます。
一方で、運動不足になると、今度は筋肉量が落ちてしまうため、こちらも関節に負担がかかります。

 このように運動管理といっても、ただただ運動させればよいというのではなく、その犬にとって適切な運動を行うことが重要です。もちろん大型犬と小型犬、ハンティングドッグとトイ種では、運動量が明らかに異なりますので、一概に「この運動方法が良い」ということは難しいのですが、どの犬種にも共通する点としては、下記のポイントがあります。

〈運動管理に取り入れたいこと〉
上り坂や下り坂、でこぼこ道など様々な地形での運動
アスファルトや芝生、土など様々なタイプの地面での運動
トレーナーの指導に基づいたアジリティトレーニング
体を動かすだけでなく、嗅覚刺激も取り入れた運動
そのほか、実施できる施設は限られますが、水中での運動も効果的です

〈運動管理で注意したいこと〉
フローリングなど滑る床での運動
過度な階段の上り下り
高い場所への飛び乗り、飛び降り
過度な全力疾走や急激な旋回運動

 また、その犬にとって運動管理が適切かどうかは、各部位の筋肉量などをチェックしながら判断する必要がありますので、かかりつけの獣医師などに相談しながら実施するようにしてください。

ドッグフードだけでは難しい「栄養管理」

 関節炎の予防の栄養上のポイントは、筋肉量を維持するための良質なタンパク質の摂取、肥満予防のためのカロリーや脂質などの調整及び適切なビタミン及びミネラルの摂取、関節の負担を軽減する成分の摂取などです。
 しかし、ドッグフードはそれ自体が本来の犬の食事に比べると、消化面で劣っていることや、原材料のクオリティによって、同じ成分でも体内利用できるレベルが変わることなどから、個人的には、ドッグフードのみで、十分な関節炎予防を実施することはなかなか難しいと考えています。 そこで、その犬にあったドッグフードを使うことはもちろん、消化性を高めるサプリメントや、関節系のサプリメントを取り入れることをお勧めしています。もちろん、それらサプリメントにも良し悪しがありますので、サプリメント選びも注意が必要ですが、関節炎予防においては重要な役割を持ちますので、ぜひ導入してみあげてください。

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まとめ

 関節炎は、予防でも、発症後の管理でも、とにかく日常生活でのケアが重要です。
 上述のとおり、なにはともあれ体重管理。これは犬の場合は食事と運動により調整できますが、関節炎を発症した場合には運動量にも限度がありますので、主に食事で管理することになります。今では、ただただ体重を落とすだけでなく、筋肉量の維持にも配慮したダイエット用のドッグフードもありますので、そういったものを取り入れるのも良いでしょう。

 また、運動管理も重要ですが、とにかく痛みがあるときは、運動は控えましょう。痛み・炎症が落ち着いたら、動物病院の指示に従って、いわゆる「リハビリ」的な運動を開始していきます。このとき、痛みがないと犬はどんどんと動きたがりますから、飼い主の方がしっかりとコントロールしてあげることが重要です。 室内で生活している場合は、フローリングを滑らないようにマットを敷くなどの工夫が必要ですし、普段からソファやイスの飛び乗り、飛び降りしている犬は、生活習慣を改善するためのトレーニングを行うことが望ましいでしょう。

 

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冬に悪化する犬猫の関節炎と犬の椎間板ヘルニア

今回は、冬に悪化しやすい犬・猫の関節炎についてお話ししていきたいと思います!
冬に関節炎が悪化しやすいのはなぜなのでしょうか?
そもそも、関節炎の原因は何なのでしょうか?
関節炎をお持ちのペットの飼い主さんも、そうでないペットの飼い主さんも、関節炎について勉強していきましょう!

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犬と猫の関節炎について

 犬と猫も、人間と同じように様々な原因による関節炎が見られます。
長年の負担で軟骨がすり減った結果、関節炎が生じる老齢性のものや、リウマチや多発性関節炎など免疫異常による関節炎、あるいは外傷性やがんによる関節炎なども見られます。

 中でも犬に多いのは、大型犬の関節炎や小型犬の膝蓋骨脱臼、あるいは先天的な股関節異形成症による関節炎です。
大型犬の関節炎は、人間の手により作られた大型犬ですが、その関節の耐久性は大型犬の体重を支えられるものではないため、体格の割に関節の強度が弱く、容易に関節炎を起こしてしまいます。
 また小型犬の膝蓋骨、いわゆる膝のお皿が外れてしまう病気では、膝に余計な力がかかるため、様々な関節炎のリスクとなります。さらには股関節異形成症は、生まれつき股関節が正常に形作られず、正常な関節の可動ができずに炎症を起こしてしまいます。

 一方、猫では、スコティッシュフォールドなどで先天的な関節異常が見られ、その結果関節炎が引き起こされます。また、室内のみで飼育されている猫のうち、老齢の猫の多くは、明らかな症状は認められませんが、レントゲン上で関節の異常が見られる「関節症」を持っているというデータもあり、遺伝的な要因だけでなく、運動など生活環境による関節への影響も考えられています。
 いずれも関節に生じたダメージはなかなか修復することは難しく、膝蓋骨脱臼や股関節異形成症など、手術が適応となる病気以外は、消炎剤や関節用のサプリメントを用いて症状を緩和することが主な治療となります。
 慢性的な関節炎は、治療を行なっても徐々には進行するため、治療は長期にわたることも多く、その結果、場合によっては消炎剤の長期投与によるリスクが生じてしまいます。 ですが、近年は関節炎の進行サイクルをブロックする薬も開発され、その有効性が示されています。このような治療は長期管理を行う上で、非常に有用で、消炎剤の長期使用のリスクを緩和することができます。

冬に関節炎が悪化する理由

 一般的に冬になると関節炎が悪化すると考えられています。冬では、寒さで血管が収縮し、血液の流れが悪くなってしまいます。そうなると筋肉の血行も悪くなるため、筋肉が固くなってしまい、さらには関節周辺の血流も悪化することで、関節に大きな負担がかかるようになります。そのため関節炎を持つ動物は、寒さからくる関節への負担によって、炎症がさらに悪化してしまうのです。

 犬の椎間板ヘルニアも冬に気を付けたい病気!

 背骨も椎間板というクッション材を持っており、関節と似た構造をしています。そのため、他の関節同様、冬場で筋肉の強張りなどがあると、背骨にも負担がかかると考えれられており、この場合は関節炎というよりは「椎間板ヘルニア」が引き起こされます。

 実際に私の病院でも、冬場に椎間板ヘルニアで受診する犬が増えています。
 椎間板ヘルニアは、重度のものになると下半身が麻痺しますので、明らかな症状として認識されるのですが、軽いタイプの場合、麻痺が認められず、痛みだけが唯一の症状になることがあります。 しかし、人間から見ると「キャンッ」と鳴いたりして明らかに痛がる様子があるものの、どこを痛がっているのかわからないことも多いため、「どこかを痛がっている様子がある」「抱き上げようとするとキャンと鳴く」あるいは「いつもは軽く飛び越える段差を躊躇している」などの症状が見られた場合は、椎間板ヘルニアを疑う必要があります。

 椎間板ヘルニアを発症すると、治療は大きく分けて外科手術と内科療法に分けられます。
 麻痺が生じるレベルの重度の椎間板ヘルニアでは、外科手術が行われることが多いのですが、軽いものだと内科療法で治療することが多いです。しかし、内科療法では「安静」を保つ必要があり、性格的に安静が困難な犬では、症状が進行してしまうこともあるため注意が必要です。

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今回は、冬に悪化しやすい関節炎とそれと似た構造の椎間板ヘルニアも見ていきました!
次回は、犬猫の関節炎をより掘り下げて、予防方法や自宅でできるケアなどもご紹介したいと思います!⇒こちら

 

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冬になると多くなる猫の泌尿器系の病気(治療・予防編)

前回は、冬になると多くなる泌尿器系の病気(概要編)をお送りいたしました!
まだ、読まれていない方は病気のことが分かりやすくまとまっていますので、是非ご覧ください。
「冬になると多くなる猫の泌尿器系の病気(概要編)」

今回は、猫の泌尿器系の病気で冬に悪化しやすい「慢性腎疾患」と「下部尿路疾患(尿石症)」の治療・予防についてご説明します。

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慢性腎疾患とは?症状は?

前回もご説明しましたので、簡単に書かせていただきますが、猫の慢性腎疾患は高齢猫に多い病気の一つで、腎臓の機能が低下することで発症するものです。

発症初期はほとんど症状が現れないため、病気に気づかないことも多く、病気が進行するとお水をたくさん飲んで、その分たくさんの尿をする「多飲多尿」と呼ばれる症状や、体重減少、毛艶の悪化、嘔吐などが認められるようになります。さらに進行すると「尿毒症」と呼ばれる、非常に重い症状を引き起こします。

慢性腎疾患の治療方法

慢性腎疾患の治療は、残念ながら完治させる方法はありません。腎臓移植や再生医療など研究レベルの治療はあり、一定の成果が見られることもありますが、治療のほとんどは、症状を改善させることと、腎臓の機能をできるだけ長持ちさせることが主な目的となります。

具体的な治療としては、輸液療法、いわゆる点滴を行います。より症状が重いほど輸液療法が重要になり、入院や通院による長期間の治療が必要になることも多くなります。

中には大学病院など、透析療法を行うことができる動物病院もあります。透析療法は輸液療法と比べて、より短期間で血液中の老廃物(本来は尿と一緒に体の外へ排泄されるもの)を除去し、体への負担を取り除くことができるものですが、まだまだ実施できる施設は限られています。

その他の治療としては、降圧剤や腎臓病用の食事、窒素化合物やリンの吸着剤などを使用します。これらは血圧を下げたり、腎臓に負担となるナトリウムやタンパク質を制限したり、窒素化合物やリンを吸着することで、腎臓の負担を減らす目的で使用します。急性の症状を改善させるには、輸液療法や透析療法が有効ですが、腎臓の機能を維持させるためには、これらの薬物療法、食事療法が重要です。しかし、これらの治療は「悪化させない」ことが目的ですので、輸液療法のようにダイナミックに症状が改善するわけではありません。ですので、ついつい日常の治療としておろそかになりがちですが、完治させる方法がない現状としては、長い目で見れば、輸液療法と同じくらい重要な治療といえます。

その他にも、ウェットフードを用いたりして飲水量を増やしてあげることも、良い管理方法です。

慢性腎疾患の予防方法

残念ながら慢性腎疾患には予防方法はありません。しかし、なるべく腎臓に負担をかけないようにする、つまり体重を適正に保つ(肥満は高血圧など、腎臓に過度の負担となります)、塩分やタンパク質の摂取を適正に保つため、また良質なタンパク質を摂取するために、良質なキャットフードを与えることなどは、慢性腎疾患の予防になりうるかもしれません。

また、慢性腎疾患は、早期発見することが非常に大切です。腎臓の機能低下が軽いうちに治療を始めた方が、より腎機能を長く維持することができるからです。

その早期発見には、定期的な血液検査や尿検査が有効です。中でも尿検査は、自宅で上手く採尿できれば猫にとって負担なく検査できますので、なるべく採尿できるように、日頃から慣らしておくと良いでしょう。

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下部尿路疾患とは?症状は?

猫の下部尿路疾患は、血尿や頻尿、排尿時の痛みなど、いわゆる「膀胱炎」の症状を示す病気です。

猫の下部尿路疾患の主な原因には、細菌感染、尿路結石(膀胱や尿管、尿道に石ができる病気)などがありますが、実は最も多い原因が「特発性」すなわち原因が不明の下部尿路疾患です。

さらに下部尿路疾患の中でも、尿道閉塞という尿が出なくなってしまう症状は、時間がたてばたつほど命の危険にさらされます。猫がなんどもトイレで排尿姿勢を取るけれど、尿が出ている様子がない場合は、急いで動物病院を受診しましょう。

下部尿路疾患の治療と予防について

下部尿路疾患の治療は、原因によって異なります。

中でも尿路結石は、前述のとおり、緊急を要することがありますので、必ず動物病院で治療を受けるようにしてください。また、緊急状態を脱した尿路結石の猫や特発性下部尿路疾患の猫は、自宅での食事管理や生活管理が非常に重要になります。特に食事管理では、決められた療法食以外の食べ物を口にすることができないため、しっかり管理するようにしましょう。

これら下部尿路疾患は、お水の摂取量を増やすことで、ある程度予防が可能です。ウェットフードを用いたり、ドライフードをふやかしたりして、食事による水分摂取量を増やしてあげたり、あるいは家のいろんなところに飲み水を置いてあげるなど、水分を積極的に取れるように工夫してあげてください。

 

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画像:http://www.flickr.com/photos/129187521@N05/29819483441, http://www.flickr.com/photos/29781788@N00/5406526077

冬になると多くなる猫の泌尿器系の病気(概要編)

今回は、冬になると発症したり、悪化することが多い猫の泌尿器系の病気についてです。
猫ちゃんの代表的な病気の一つでもある泌尿器系の病気について、飼い主の皆さんもしっかりと知っておきたいですね!

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猫に多い泌尿器系の病気とは!?

実は、猫は犬と比べると泌尿器系の病気が多い動物です。その代表的なものとして、慢性腎疾患、下部尿路疾患があります。

猫の祖先はもともと砂漠で暮らしていたと考えられています。砂漠では水分が少ないため、少しでも体に取り込まれた水分をキープし、有効利用する必要があります。そのために重要な働きをするのが腎臓です。

腎臓は、体に溜まった老廃物を尿に排泄する役目をもつ臓器ですが、さらには、老廃物と一緒に排出された水分を「再吸収する」役割もあります。つまり、腎臓は体の外へ出て行く水分を抑えて、体内に留めることができる臓器なのです。ですので、砂漠で暮らす動物は、少ない水分でも生きていくことができるのですが、中でも腎臓の働きはとても重要であり、猫はその典型的な動物なのです。
しかし、猫の腎臓は犬や人と比べると、ネフロンと呼ばれる機能を司る構造が少ないと言われています。ネフロンは、腎臓にある糸球体や尿細管と呼ばれる微細な構造で構成されており、ネフロンの単位で水分の再吸収などの働きを担っています。つまり、腎臓はこのネフロンが無数に集まっている臓器なのですが、ネフロンが破壊されると、腎臓の機能は低下してしまいます。
猫は、このネフロンが他の動物と比べて少ないため、何らかの原因でネフロンが障害を受けると、それをカバーするための他のネフロンの数が少なく、どんどんと腎臓の機能が低下してしまい、慢性腎疾患に陥ると言われています。

また一方、少ない水分を有効利用するために、腎臓で水分を再吸収させると、その結果、いわゆる「濃い」尿が作られます。濃い尿は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの濃度も高くなるのですが、実はそのミネラル成分がが膀胱や尿道で結石となって、各部位の粘膜を傷つけ、血尿を引き起こし、さらには頻尿などの下部尿路疾患の症状を引き起こす要因にもなっています。

 

冬になると多くなる泌尿器系の病気の訳

冬になると、猫のお水を飲む量が減ってしまいます。
明確な理由は不明ですが、おそらく、寒さによる体温低下を防ぐために、冷たいお水を飲まないようにしていること(とはいえ、温かいぬるま湯にしてもあまり飲むようにはならないようです)や、運動量が低下することで代謝量も落ちてしまい、代謝に必要な水分量が減ること、さらにはトイレを我慢してしまうことによるものと考えられています。
それにより、腎臓機能を維持するための血流が少なくなってしまい、慢性腎疾患は悪化しやすくなります。

さらにはより濃い尿が作られるようになるため、尿石症などによる下部尿路疾患の発症リスクが高くなってしまいます。
その結果、「慢性腎疾患」と「下部尿路疾患(尿石症)」は冬に悪化したり、発症したりすることが多い病気と言えます。

 

慢性腎疾患ってどんな病気?症状は?

では、まず慢性腎疾患とはどんな病気なのでしょうか?

猫の慢性腎疾患は、高齢猫に多い病気の一つで、上記の通り、腎臓の機能が低下することで発症します。通常は突然発症するというよりは、徐々に病気が進行するため、発症初期にはほとんど症状を示さず、なかなか慢性腎疾患にかかっていることに気づかないことも多いです。

しかし、ある程度症状が進行すると、お水をたくさん飲んで、その分たくさんの尿をする「多飲多尿」と呼ばれる症状や、体重減少、毛艶の悪化、嘔吐などを認めるようになります。さらに進行してしまうと「尿毒症」と呼ばれる、非常に重い症状を引き起こします。尿毒症になると、元気食欲の低下、嘔吐、口臭、口内炎などを認め、ひどい場合にはけいれん発作なども見られるようになるため注意が必要です。

 

下部尿路疾患ってどんな病気?症状は?

次に、もう一つの冬に多い病気、下部尿路疾患とはどんな病気なのでしょうか?

猫の下部尿路疾患は、血尿や頻尿、排尿時の痛みなど、いわゆる「膀胱炎」の症状を示す病気です。

猫の下部尿路疾患の主な原因には、細菌感染、尿路結石(膀胱や尿管、尿道に石ができる病気)などがありますが、実は最も多い原因が「特発性」すなわち原因が不明の下部尿路疾患です。
これにはストレスが関係していると考えられていますが、今のところ明らかなメカニズムは分かっていません。
また、これらの原因以外にも老齢猫ではがんなどが原因になることがありますので注意が必要です。

さらに下部尿路疾患の中でも、尿道閉塞という尿が出なくなってしまう症状は、時間がたてばたつほど命の危険にさらされるため、猫がなんどもトイレで排尿姿勢を取るけれど、尿が出ている様子がない場合は、急いで動物病院を受診するようにしましょう。中でも雄猫の尿道結石では、容易に閉塞を起こしますので、十分に注意しましょう。

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愛猫を守るためにも、きちんとした知識を持っておくことは大切ですね!

次回は、慢性腎疾患と下部尿路疾患についてより詳しく治療や予防についても学んでいきたいと思います!
次回もお楽しみに!

冬になると多くなる猫の泌尿器系の病気(治療・予防編)はこちら!

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画像参照(http://www.flickr.com/photos/87805257@N00/29568677653、http://www.flickr.com/photos/126397594@N03/25592583686)

涼しくなっても要注意!!秋だから気をつけたい犬の3つの病気 その②

秋だから気を付けたい犬の3つの病気「アレルギー」につづき「マダニ寄生」「子宮蓄膿症」についてです。

①実は秋に大量寄生する!?秋はマダニの季節です

春〜夏だけじゃなかった!?マダニは秋にも寄生する!?

マダニは、いわゆるハウスダストなどに含まれるダニではなく、草むらなどから寄生するダニです。よく春先から夏にかけて、犬にマダニが寄生すると、犬の血液を吸ったマダニが膨らみ、小豆大ほどの大きさになって見つかることがよくあります。その一方で秋には、そのようなマダニを見かけることがあまり多くありません。しかし、実はマダニは秋口にも寄生のピークを迎え、実際に動物病院でも秋にマダニ寄生で多くの犬が来院します。さらに、最初は飼い主の方もマダニの寄生に気づかないことも多く、診断の中でマダニが見つかり非常に驚かれます。ではなぜ秋には目に見えるマダニが見つからないのでしょうか?

②犬が体を痒がっている、実はそれマダニかもしれません

マダニには季節によって成長段階があり、春〜初夏にかけては「成ダニ」と呼ばれるいわゆる大人のマダニが寄生します。そのため血液を吸う前でもゴマ粒ほどの大きさで、目に見えるのですが、秋口のマダニは「幼ダニ」といって、体長1mm以下の大きさのため、よくよく注意してみないとほとんどの飼い主の方は気づかないのです。そんな幼ダニの寄生ですが、ほとんどは1匹2匹といった少数寄生ではなく、数え切れないほどの大量に寄生します。

そして寄生された犬はかゆみを訴えるようになり、手足を舐めたりかじったりするようになります。最初は飼い主の方も「何か皮膚病なのかしら」と考え、動物病院を受診されるのですが、いざ診断すると体からたくさんの幼ダニが見つかるため、非常に驚かれるのです。

③マダニが寄生したらどうすれば良い?

成ダニの寄生と違って、幼ダニは非常に細かく、さらに犬の毛の奥に潜むため、物理的にすべてを取り除くことは非常に困難です。ですので多くの場合は、マダニの駆除薬を投与することで治療します。駆除薬は飲み薬のタイプや背中に滴下するタイプ、あるいはスプレーで全身に吹きかけるタイプなどがあり、それぞれ犬の状態などによって使い分けられますので、動物病院で相談しながら治療を進めるようにしましょう。

④犬だけのためだけでなく、人間のためにもマダニ予防を!!

そんな秋口にも寄生するマダニは、やはり予防薬を使って寄生しないようにすることが最も効果的な予防方法です。また、近年では様々なタイプの予防薬があり、投薬のしやすさや犬のコンディションによって使い分けることもできますので、あなたの犬にあった予防薬を取り入れ、ぜひ春から夏の暖かい時期だけでなく、秋、さらには地域のよっては冬もしっかりと予防するようにしてください。

よく、「草むらには入らないから、うちの子は予防薬は不要」とお考えの飼い主の方もいらっしゃいますが、実は普通の道路にある街路樹からもマダニは寄生しますので、外にでる犬は必ずマダニ予防を実施していただければと思います。

また、マダニ寄生は、マダニ自体が犬にかゆみなどの症状を引き起こすだけなく、バベシア症などの重い感染症を引き起こす原因にもなります。さらに犬に寄生するマダニの中には、人間に対して感染症を引き起こすウイルスを持つものもいます。ですので、犬の病気予防ためだけでなく、人間に対しての病気予防のためにも、必ず犬のマダニ予防はしっかりと秋冬も実施してあげるようにしましょう。

 

⑤気づかないと命にかかわることも!?恐ろしい子宮蓄膿症について

子宮蓄膿症は、避妊手術をしていないメスの犬がかかることのある、非常に危険な病気です。細菌感染に侵された子宮の中に膿がたまってしまい、放置するとお腹の中で子宮が破裂したり、細菌の毒素が全身に回ってしまい、場合によっては命を落とすこともある病気です。

そんな非常に恐ろしい病気である子宮蓄膿症ですが、その発症メカニズムは、雌犬の発情と関係しています。一般的に雌犬の発情は、春と秋の年に2回と言われています。そして、ほとんどの子宮蓄膿症は、その発情に伴って起こる子宮内膜炎がきっかけで、細菌感染を引き起こし、子宮蓄膿症になってしまうと考えられています。つまり、子宮蓄膿症は発情後しばらくしてから発症することが多く、春と秋に見られることが多いのです。さらに出産経験のない6歳以上の雌犬はリスクが高いと言われていますので、注意が必要です。

⑥実は気づきにくい!?子宮蓄膿症の症状について

子宮蓄膿症にかかると、発情が終わったはずなのに、再度おりものが見られることがあります。さらにはおりもの自体も濁った色や血膿のような色をしていることがあるため、そのような症状を認めたときは、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。また、中には子宮口が閉鎖してしまっている場合だと、おりものが出ないことがあります。おりものが出ないと子宮の中に膿がどんどんとたまってしまうため、非常に危険なのですが、なかなか症状に気付きづらくなります。ですので、発情後、しばらくのうちに、元気や食欲がなくなる、お水をたくさん飲んで尿をたくさんするようになる、体が熱っぽいなどの症状が少しでも見られる場合には、早めに動物病院に相談するようにしましょう。

⑦子宮蓄膿症の治療とその予後について

子宮蓄膿症を発症してしまった場合は、基本的には外科手術が必要になります。場合によっては、お薬で治療することもありますが、子宮蓄膿症は再発率が非常に高い病気のため、全身麻酔がかけられないほど弱っていたり、他にも病気を持っている場合を除いては、基本的には子宮と卵巣を摘出する手術を行うことが勧められます。

もちろん、体に大きな膿を抱えた状態ですので、手術にあたっての全身麻酔のリスクは、通常の避妊手術などに比べると高くなります。ですので手術にあたっては、十分な検査と事前の準備が必要になります。

無事に手術を乗り越え、術後、合併症が見られることがなければ、完治することは可能ですし、もちろん再発の心配も無くなります。

⑤まとめ

子宮蓄膿症は、出産経験のない高齢犬に発症が多く、発情に関連して秋口にも多く見られます。また、その症状は気付きづらい事も多いため、注意が必要です。子宮蓄膿症は発症してから時間が経てば経つほど容態は悪化していきますので、怪しいなと思った時は速やかに動物病院を受診するようにしましょう。

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